秩父絹 発祥の地

ちちぶぎぬはっしょうのち

 
撮影:
2009年11月(写真 T.H.さん)
2014年10月

西武秩父線 横瀬よこぜ駅から南東に1.7km。国道299号から西善寺(秩父8番札所)に向かって入り,1.5車線程度の道を入ってゆくと, 西武秩父線の下をくぐった先に御嶽神社がある。この神社の前を通りさらに20mほど行った突き当りに「秩父絹発祥の地」の木碑が建っている。

発祥碑の写真の背後に木の囲いがあって,ここに“城谷沢の井”(県の史跡)と呼ばれる湧水がある。 傍らには“頌井之碑”と刻まれた石碑も建っていて,その碑文には この地が 鉢形城主北条氏邦の家臣・朝見伊賀守が養蚕を始めた地であり, 「秩父絹の発祥の地」であることを示している。

秩父地方は耕作可能な面積が少なく,古くから多くの農家で養蚕が行われていた。 さらに農家の副業として絹織物が作られ,堅牢な「秩父絹」として絹の市などで集荷され 江戸の問屋に送られた。
明治時代に入り,女性向けの丈夫で手軽なおしゃれ着として「秩父銘仙」の名は日本全国に知られた。

写真

  • 秩父絹発祥の地
  • 秩父絹発祥之地(2014)
  • 城谷澤の井(2014)
  • 城谷澤の井(2014)
  • 城谷澤の井(2014)
  • 秩父絹発祥之地(2014)
  • 秩父絹発祥之地(2014)
  • 秩父絹発祥の地 背面
  • 秩父絹頌井之碑
  • 秩父絹頌井之碑 碑文

碑文

秩父絹発祥之地 城谷沢の井

県指定旧跡

横瀬町教育委員会
昭和三十六年九月一日指定

頌井之碑

秩父織物工業組合理事長衆議院議員板本宗太郎題額 霊峰武甲ノ北西麓ニ一城跡アリ根古屋城ノ廃墟 之レナリ永禄中鉢形城主北條氏邦ノ家臣浅見田 賀守之レニ據リ大イニ威武ヲ張リ旦殖産ニ意ヲ 須ヰシナバ養蠶機織ノ業頻リニ興リ殊ニ絹市ハ 品質ノ優良ト相俟ツテ其ノ名上下ニ知ラルゝニ 至レリ此ニ於テカ根古屋絹ノ呼稱ハ裏地絹布ノ 総稱トシテ全國ニ普及セラレシナリ 現在ノ城谷澤ノ井ハ實ニ往年ノ根古屋絹産出ニ 貢献シタル唯一ノ遺物ニシテ而モ亦秩父織物發 祥地ヲ物語ル無二ノ遺蹟ナリ故ニ以テ昭和十五 年三月埼玉縣史蹟ニ指定セラル事ノ梗概ヲ叙シ テ以テ不朽ニ傳フ   昭和十六年四月 史蹟城谷澤ノ井保存會長識

地図

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横瀬町大字横瀬 付近 [ストリートビュー]