天然超音波温泉発祥地

てんねんちょうおんぱおんせんはっしょうち

しなの鉄道 戸倉とぐら駅の南方、千曲川のまわりに戸倉上山田温泉が広がっている。千曲川の右岸にある万葉超音波温泉(千曲市磯部1125)の敷地西部、土手に向かって背の高い石板が建てられている。堤下で植木もあるので、サイズが大きいわりに風景に溶け込んでいてなかなか気づかない。

超音波理論に対して世界的な権威、芝浦工業大学学長 工学博士 橋本富寿が、炭酸泉の気泡が破裂する時に超音波が発生し、入浴するとそのことで骨の温度が0.5〜1℃上昇すると説明しており、それが理由で湯冷めしにくいとされる。

写真

  • 天然超音波温泉発祥地 背面 碑文
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碑文

世界最初の
天然超音波温泉発祥地

竹内風聲書

人類の福祉に貢献する超音波温泉発見の動機について

昭和二十三年二月芝浦工業大学教授工学博士橋本富寿氏元海軍技術中佐杉山遼一氏及び私の三人が小屋がけの三十七度の温泉に浴したところ無数の気泡が身体に附着し湯上がりの後もポカポカと温まりまことに不思議に思いました
この温泉は前々から自噴しており一般に開放され附近の人達は自由に入浴できるので大変喜ばれ芯から温まる湯冷めのしない温泉として知られていました
橋本博士はこの現象に不審をいだき二度目の入浴の際コップに湯を充満し浴槽の中で反転するとコップの中の湯がみるみるうちに排出され気泡でいっぱいになってしまいましたこの不思議な気泡(ガス)について四年後の或日博士は「君の温泉は超音波温泉だよ」と申され驚いた次第です
橋本博士は超音波理論に対して世界的な権威でありそれを利用した測深儀は潜水艦の触覚であり魚群探知機でもあります又洗浄機及び人工超音波温泉等に利用され人類の福祉にも貢献し誠に有益な学理であります
この温泉が芯から温まり湯冷めのしない理由は気泡が水面で爆発する際超音波が発生し入浴することによって骨が摂氏〇・五度乃至一度高くなるという理論に立脚しておりこれこそ橋本博士の苦心の賜であり医学界に於ても人体に及ぼす有効な影響に対し盛に研究されています
この橋本博士の貴重な発見に対し謹んで感謝の意を表わすと共に超音波温泉発祥の地として永久に後世に伝えようと思いこの記念碑を建立しました

昭和四十七年六月一日

利根川精機株式会社
㈱日本超音波研究所
㈱翠明荘
萬葉温泉大浴場
 社長 利根川長二

地図

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