栃木県議会 発祥の地

とちぎけんぎかいはっしょうのち

両毛線・東武日光線 栃木駅から北へ約1km。栃木市役所の東隣りに別館が建っていて, その前に 大きな自然石の発祥碑がある。

廃藩置県のあと明治4年(1871) に, 下野国は 栃木県と宇都宮県の2つに分かれ, その2年後には両県が合併して栃木県となった。 この地は栃木県庁が置かれ, 政治・経済・文化の中心として栄えたが, その後 明治17年(1884) に県庁は宇都宮市に移された。栃木市は 埼玉県の川越市・千葉県の佐原市とともに「小江戸」と呼ばれ, 古い街並みが見られる。

現在市役所別館となっているこの建物は, 大正10年(1921) に県庁跡に栃木町役場として使われたもので, 時計塔と玄関ポーチなど大正時代の洋館の特徴が見られる美しい建物である。国の有形文化財に登録されている。


県議会発祥の県庁跡であり栃木市役所別館として使われていた旧県庁舎は文学館に転換された。隣接の市役所は、当地から北東300mほどの福田屋百貨店栃木店(栃木市万町9-25)跡を譲渡され改修の上、平成26年(2014) に移転した。旧栃木市役所庁舎は耐震性に乏しく解体され、市美術館に建て替えられた。

写真

  • 栃木市役所別館
  • 栃木県議会発祥の地
  • 栃木県議会発祥の地(背面)
  • 栃木市役所別館(県庁堀)
  • 文学館 北西側(2023)
  • 栃木県議会発祥の地(2023)
  • 栃木県議会発祥の地(2023)
  • 栃木県議会発祥の地 碑陰(2023)
  • 栃木県議会発祥の地 背面(2023)
  • 栃木県議会発祥の地 背面(2023)
  • 温故知新碑(2023)
  • 温故知新碑 背面(2023)
  • 栃木県議会発祥の地 栃木市文学館(2023)
  • 歴史的風致京成建造物碑(2023)

碑文

栃木県議会発祥の地

 明治十二年四月十四日、都賀郡薗部村(現栃木市)の栃木県庁敷地内遥拝所を仮議場として 栃木県最初の県議会が開かれた。 前年の府県会規則にもとづき、同十二年四月第一回の県会議員選挙が行われ、 三十六名の議員が選出された。県会は安生順四郎氏を議長とし、 百般草創、議事万端にわたる議事を進め五十日間で閉会した。 まさに本県における近代的代議制度の黎明を告げるものであった。

 本年は、この歴史的県会が開かれてより満百年を迎えることになる。 この時に当り、栃木県議会は先人たちの一世紀にわたる政治的偉業をしのび、 さらに議会制民主主義の一層の発展を誓い、 由緒あるこの地に記念碑を建ててこれを後生に伝えるものである。

昭和五十四年十一月一日

栃木県議会建立

大町雅美撰
七海水明書

史蹟 橡木県庁址

明治四年廃藩の後わかちて栃木宇都宮両県となし同六年併せて栃木県となす 管する所は下野国及び山田新田邑楽の上野国三郡也 県名の来由はこの地を相して県庁を設けしによる その周囲に濠をめぐらして布置を整へ 巳波の津と庁舎の間に漕渠を造り以て東京来柱の便に亢つ 初代鍋島貞幹 良二千一仁た  二代藤川為親 栃木人の闊達にしてよく人を容れ誠にして節を尚ふの風あるを愛し その島根県に転ずるやつが郷党を率ゐて要職につかしむ 藩閥猖 の秋以て奇と すに足るべし 三代三島通庸 明治十七年県庁を宇都宮に遷す(略)

明治百年 栃木市

地図

地図

栃木市入舟町 付近 [ストリートビュー]