青森県内で、初めて西洋リンゴが実った場所です。

場所は、弘前大学医学部の敷地内です。
弘前公園追手門からの距離は約500m。 徒歩圏内です。
弘前大学医学部の敷地内ですが、小さな公園として開放されているので、誰でも利用出来ます。

目印は、こちらの古い松。

大黒松、別名五十石松です。

大黒松の由来は、
弘前大学のWebサイト に情報がありました。
山野元命という人物が、弘前藩第5代藩主 津軽信寿 より拝領した松で、昭和10年にこの地に移植されたそうです。
樹齢は約300年でしょうか。
公園の名前は、 大黒松小公園 です。

大黒松の前には、献体之碑。

献体之碑の左側。

リンゴ初生り (はつなり) の碑 です。

こちらは、明治8年に内務省勧業寮から、西洋リンゴ紅魁 (べにさきがけ) の苗木をもらい受けた、山野茂樹氏の家があった場所です。
明治10年、山野茂樹氏の紅魁は3個だけ実をつけました。
青森県内で、最初に収穫された西洋リンゴです。
それまでは、酸味と渋味が強い、直径5cmくらいの在来種、ワリンゴ (和林檎) しかありませんでした。

前面にはこう彫られています。
一、西洋リンゴ当年三年目ニ而初テ実結ヒ、今日ミノ大サ糸ニ而
マハシ見候処左ニ大ノ方七十二分余廻リ中ノ方六寸九分廻り
小ノ方六寸五分廻り、イマタ熟シ不申
明治十年第七月三十日也
一、八月十五日リンゴ取、大ノ方目五十八匁、中四十九匁二分、
小三十九匁但し小ノ方青森勧業二課江差送候事、周囲大八寸八分
中八寸二分 (山野茂樹の手控帳より)
リンゴ初生りの碑 の後ろ。

明治八 (一八七五) 年勧業寮から配布された西洋リンゴ
の苗木から、明治十 (一八七七) 年、弘前市相良町の
山野茂樹邸内 (現弘前大学医学研究科敷地内) において、
「紅魁」 (原名「アストランカン・ルージュ」「山野早生」)
三個が初生りした。在来種に比して大きく、美味なことから、
「西洋リンゴ」への関心は急速に高まり、津軽リンゴ産業
発展の嚆矢となる。
平成二十三 (二〇一一)年十月十四日
「国際リンゴフォーラム in 弘前」
を記念して建立
文中の相良町は、リンゴ初生りの碑 がある在府町の隣り、弘前大学医学部附属病院の辺りです。
相良町の町名は、人吉藩 (現在の熊本県) の家老、
相良清兵衛 の屋敷があったことが由来のようです。
山野茂樹氏に紅魁の苗木を託した人物は、元弘前藩藩士、菊池楯衛 (きくちたてえ) 。
「青森リンゴの始祖」と云われている人物です。

銅屋町の八坂神社に石碑があります。

重要文化財の五重塔がある、最勝院。
その隣りにある神社です。
後凋菊池翁頌徳碑 です。
後凋は、論語の「歳寒然後知松柏之後凋也」からです。
冬寒くなると他の草木は枯れてしまうのに松柏 (常緑樹) は枯れない。
大きな困難に出会った時にこそ人の真価がわかる。
困難に出会っても冬の松柏のように信念を守りたいものだ。

菊池楯衛氏と西洋リンゴの関わりについては、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている、昭和13年刊
陸奥弘前後凋園主菊池楯衛遺稿 に詳しく記されています。
当該部分を書き出します。
「菊池楯衛略歴」より
明治八年に内務省勸業寮から靑森縣廳を通じて、苹果、葡萄その他の舶來果樹苗の下附を受け、初めて洋種果樹の栽植に着手した。
同九年に同寮から再び多數の果樹苗木を配布され、果樹園の基礎を確立するに至た。
明治十年春、北海道龜田郡七重村 (今の七飯) にありし、開拓使の勸業場に至り、外國人に就て果樹栽培及測量の技術を習得し、特に接木及苗木仕立を熱心に研究した。
同場に止ること僅かに五ヶ月間に過ぎなかったが、啓發さるゝ所尠くなかつた。
同年の秋、歸郷し、農業及園藝業者と教義の上、化育社を創立し、毎月一囘會合して農事上の研究に従事した。
「苹果栽培の實驗」より
苹果を我が地方に栽培せしは、去る明治八年四月にして、舊勸業寮より靑森縣廳に配賊せられたるものに係り、其當時は縣廳構内に栽植し、各區四名の農業者に試植を命ぜり。
予も幸に其一人なりき、同九年の秋、同寮より又た千五百本の苹果苗を下附せられ、十年の春之を十六區に配賦したり、之苹果栽培の濫觴なり。
當時この配賦を受けたる農業者は其良否を分つなく諸々の果樹と共に栽植して、剪枝法や施肥の勞を採れるもの至つて少なし。
十三年に至りて始めて結果し、茲に於て苹果は良好なることを知り、栽培の念慮をして愈々勃興せしめたり。
苹果 (へいか) は西洋リンゴのことです。
明治10年、北海道の七重官園で接木と測量を学んだと書かれています。
七重官園については、
七飯大沼国際観光コンベンション協会 のWebサイト にわかりやすく記されています。
日本のリンゴ栽培は、この七重官園から本格的に始まったようです。
ちなみに、日本での西洋リンゴの初収穫は、安政2年 (1855年) 、板橋宿の加賀藩下屋敷に於いてという記録があるようです。
また、現存する中で
日本最古のリンゴの木 は、青森県つがる市にあります。
明治11年 (1878年) 4月に栽植された3本が現存。 現在も苹果を収穫できるそうです。
落書きが残念です。

再び、リンゴ初生りの碑。

リンゴ王国青森の礎となったこの場所。
非常に縁起の良い場所だと思います。
訪れると、子宝に恵まれるかも知れません。
初収穫のリンゴは3個。 子供3人目までオッケーですね。
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