越前 水仙 発祥伝説之地

えちぜんすいせんはっしょうでんせつのち

北陸本線 大土呂おおどろ駅から西に5km。越前岬から国道305号を海沿いに5kmほど北東に行くと居倉いくら漁港になる。港の横に「越前水仙発祥の地」と書かれた 水仙ドームの案内看板があり,“越前水仙の里公園”の駐車場入り口付近に「越前水仙発祥伝説之地」 と書かれた簡素な碑が建っている。その横には 乙女の像と越前水仙伝説の説明碑がある。

水仙ドームは越前水仙の里公園のメイン施設で,一年中水仙を鑑賞することができる。その秘密は,抑制・促成栽培による栽培技術と,年間を通じて13℃以下に保つことのできる国内唯一の低温室にある。日本で初めて水仙の通年開花に成功し,多くの人に水仙の魅力に触れてもらおうと開設された施設で,常時3,000本の水仙が展示されている。公園には水仙ドームの他に,水仙ミュージアム・水仙広場・水仙観賞園・ふるさと資料館などがあり, 世界中の水仙も見ることができる。

越前水仙には 哀しい物語が伝えられている。

この地 越廼こしの村に住む一人の男が 波間から美しい娘を助け出す。 男と娘は日増しに親しくなるが,そこへ男の兄が帰郷し 兄も娘にひかれていく。 ついに兄弟は娘をめぐって争い,娘はすべて自分が原因と海に身を投げた。翌年の春、海岸に白い花が流れつき,人々は この花はあの可憐な娘の生まれ変わりだとして海岸の丘の上に植えたという。

写真

  • 越前水仙発祥伝説之地
  • 越前水仙発祥伝説之地 碑文
  • 越前水仙発祥の地

碑文

越前水仙発祥伝説之地

越前水仙伝説

 平安の末,越廼村居倉浦の山本五郎左衛門は,長男一郎太と共に源平の戦いに加わっていました。
 留守を守っていた次男の二郎太 は,或る日海岸で一人の美しい娘を助け上げ,二人はしだいに親しくなりました。夏も終りに近づいた或る日,戦いで傷ついた一郎太 が,父の戦死の報とともに帰ってきました。娘を見た一郎太は,日ごとに娘に心を奪われていきまし た。その年の冬,兄弟は娘をめぐり決闘することになりました。対 決する二人の姿に苦しんだ娘は, 荒れ狂う海に身を投げてしまいました。翌年の春,刀上の浜に見たことのない美しい花が流れつきました。村人たちは,この花こそあの清楚で可憐な娘の化身にちがいないと,丘の上に植えていつくし みました。その冬,美しい水仙の花が咲きました。

地図

地図

福井市居倉町 付近