秋田蕗 発祥の地

あきたふきはっしょうのち

奥羽本線 大館駅から東に約10km。県道2号線 大館十和田湖線 樹海ラインを 長木川沿いに東に向かうと,新沢橋と蕷ヶ岱いもがたい橋の間に ゆきさわ産直センターがある。産直センター建物前の駐車場隅に フキの葉をデザインしたユニークな石碑が建っている。

秋田蕗は キク科フキ属の植物で,秋田県北部地方で栽培されている秋田市の特産品。民謡・秋田音頭で

秋田の国では 雨が降っても唐傘などいらぬ
 手ごろの蕗の葉サラリとさしかけ さっさと出て行がえ

と唄われるように 巨大なフキである。葉の直径は 1.5mぐらい,茎の長さは 1.5~2m もある。

昔は 東北・北海道の一部で自生していたらしいが,現在は 秋田県のごく一部で、秋田市の仁井田地区や鹿角市などで栽培されているだけだという。普通のフキのように 茎の部分を食用とするが 繊維が多く あまり美味ではないようで, 砂糖漬けにして土産用に販売されている。珍しい用途としては,葉を粉末にした“秋田ふきパウダー”がある。 お湯に溶かして飲用したり,ケーキなどに振りかけて色付けに使ったりするらしい。

写真

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  • 秋田蕗発祥の地 碑文

碑文

秋田蕗発祥の地

 寛延元年(1748年)三月十五日五代目秋田藩主佐竹義峰公が月並賀表で江戸城に登った時のこと,諸公の名産話となり「我が領内の長木沢の蕗は,その太さ七年竹の如く,長柄傘と同じである」と言ったところ松平安藝守ほかの諸侯が「この世にそんな蕗があるはずがない」と笑われたのであります。
 そこで義峰公は密かに秋田へ早飛脚を立て,「長木沢の蕗を採り,速やかに江戸へ送れ」と山林見回り人阿部重右衛門に命じ,阿部氏は長木沢山中に分け入り 七日目にして 大蕗二本を採り 早速江戸城に送り届けました。
 それを見た諸侯は,「過日の話はまさしくその通りであり,長木沢は秋田蕗の名産地である」と義峰公の虚言でないことを認めました。
 よって,秋田蕗の発祥地はここ大館市雪沢地内(長木沢)であることが判明したのであります。

秋田蕗発祥の地
建立実行委員会 建立

平成10年10月18日

地図

地図

大館市雪沢字楢木岱 付近 [ストリートビュー]