雁木 発祥の地
がんぎはっしょうのち
磐越西線の津川駅から南東に700m。津川地区中心の商店街の西のはずれに住吉神社があり,そこから東に「雁木」造りの商店街が続く。住吉神社に最も近い雁木の通りの入口に「雁木発祥の地」の碑が建っている。
「雁木」とは,雪国で商店などでみられる,雪除けの屋根のことで,店先の玄関の土間部分にひさしをかけて通行人が雪の日でも通行しやすいようにしたもの。上越市(高田)の雁木が有名だが,新潟県の各地にも見られるほか,秋田・青森などにも存在する。
構造的には 一般の商店街で多く見られるアーケードと類似しているが,アーケードは道路(歩道)上に連続して屋根を付けたものであるのに対して,雁木は個々の商店などが自宅の道路に面する部分に屋根をかけて,一般の通行人に開放している点で全く性格が異なる。私有地を提供しなければならないこと,構造が各戸ごとに異なり統一感がないこと,防火上の問題があることなどの理由で最近はその数を減らしており,現在では貴重な文化遺産となっている。
津川の雁木造りは,慶長15年(1610) に藩主の指示によって始まったとされており,他の地域に比べて最も早い時期であったとして,発祥の地を名乗っている。現在,津川地区では,延長500mほどの長さで雁木が残されているという。
写真
碑文
雁木発祥の地
平成九年三月二十六日
津川町慶長十五年(1610)津川大火復興の際,津川城主・岡半兵衛重政により家々の玄関先の土間の部分にひさしをかけ,雁木がつくられました。
私有地を公共のものとして利用する雁木は,雪の多いこの地域にとって昔から大切な生活通路となっています。津川では雁木を「とんぼ」と呼んでいます。