たばこ 製造工場 発祥之地

たばこせいぞうこうじょうはっしょうのち

東山五条交差点から東山通りを南に下り“馬町”交差点を東に入ると200m先の右側に赤いレンガ造りの2階建てビルが目に入る。ここが元 専売公社の京都工場だった建物で、ビルの正面に発祥碑がある。

窓に鉄格子がはめられた赤いレンガ造の建物で、独特の雰囲気があり歴史を感じさせる。大変美しい建物で,よく手入れされている。発祥の地の碑の隣にはこの建物が建築された当時に工場入口にはめ込まれていたと思われる「村井兄弟商会」という標石が飾られており,『村井兄弟商会 明治33年 建築』の文字が見える。

明治初年ごろたばこと言えばキセル用のきざみ煙草だったが、明治10年代になって「口付紙巻きたばこ」が流行りだした。紙のマウスピースのついたものでまだ手巻きで作られていた。村井吉兵衛は「村井兄弟商会」を設立、アメリカンタバコ社と提携して両切紙巻きたばこ『サンライズ』の製造を開始した。

この建物は明治32年(1899) にたばこ工場として建設されたもの。近代的な製造機械を導入し当時は2000人を超える従業員がここでタバコを作っていたと言われる。その後「サンライズ」は市場の30%のシェアを確保するまでに成長した。
明治37年(1904) になって煙草専売法が成立し、この建物も国有化されて専売局の京都工場として引き継がれた。

その後、建物は倉庫などに使用された後廃屋同然の状態で放置されていたが、昭和22年(1947) 社団法人関西厚生協会が建物の払い下げを受けて維持保存している。現在は関西テーラーという看板が出ている。

追記 2016.2

倉庫は解体され、平成22年(2010) には建て替わり、平成27年(2015) から流行りの老人ホームとなった。村井兄弟商会の標石らしきものはストビューで見て取れる

どちら様か、現状の様子を画像でお知らせください!

【リンク】洛東園

写真

  • たばこ製造工場発祥之地
  • 村井兄弟商会建築碑
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碑文

たばこ製造工場発祥之地

   昭和五十五年三月建之

明治23年 村井吉兵衛 わが国始めて両切紙巻タバコを製造 同32年 この地に米国タバコ会社と合同し て 村井兄弟商会を設立し その名声 は世界のタバコ商として知られる
明治37年 煙草専売法の実施によ り国営となり 商会の建物は 専売局 専売公社の京都工場として使用され 村井の技術が大いに役立つ
大溪元千代著「たばこ王村井吉兵衛」に拠る)
その後 建物は倉庫等に使用されたが 廃屋同然の状態で放置された
昭和22年 富田淺雄 社団法人関西 厚生協会を設立し この地と建物の 払い下げをうけて その維持保存につ とめ今日に至る

    昭和55年3月吉日
      社団法人 関西厚生協会

地図

地図

京都市東山区上新シ町 付近 [ストリートビュー]