伊賀豚 発祥の地

いがぶたはっしょうのち

関西本線の新堂駅から北西に5km。県道49号 甲南阿山線の途中にある“道の駅あやま”より 100mほど東に,伊賀北部農協の“阿山ライスセンター”がある。その入口に「伊賀豚発祥の地」と刻まれた堂々とした石碑が建っている。

牛肉には“松阪牛”“宮崎牛”などのブランドがあるのに対して,豚肉はどこでも同じ国産豚で,黒豚・白豚程度の分類しかなかった。そのような時代に,飼料に木酢酸を混ぜるなど 特徴ある飼育法により,産地を特定化し 飼養管理・農場の衛生管理強化など 進んだ肉豚を生産することを目的に,昭和52年(1982) に阿山町(現 伊賀市)周辺の生産者が協同で“伊賀豚”を誕生させた。

この伊賀豚の飼育方法は三重県内に拡がり,数年後には松阪豚(南勢地区),鈴鹿高原豚(北勢地区)が誕生した。さらに 全国各地に“観音池ポーク”(宮崎),“麓山高原豚”(福島),“天恵美豚”(鹿児島)などのブランドが次々に生れるにつれ,ブランドの乱立を避けて競争力をつけるために,平成14年(2002) に三重県内の三つのブランド(伊賀豚、鈴鹿高原豚、松阪豚)を統合して 新しいブランド名“みえ豚”と改称した。

“みえ豚”の特徴は 次のように定められている。

品種
雌(ランドレース×大ヨークシャー)×雄(デュロック)
餌の制限
飼料に木酢酸と‘あまに’を添加
飼育日数
190日齢以上
出荷体重
100kg以上
生産地域
三重県内
屠畜
三重県松阪食肉公社

「木酢酸」は,広葉樹の樹液と木酢を活性炭に混ぜたもので,肉の臭みを抑え ジューシーな鮮度を保つ効果がある。「あまに」は,アマ(亜麻=麻に似た丈夫な繊維として使われる)の種子を絞った油(亜麻仁油)で,不飽和脂肪酸に富み,飼料として用いると α-リノレン酸を多く含む肉質の豚になると言われる。

写真

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碑文

伊賀豚発祥の地

阿山町養豚組合設立50周年記念

地図

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伊賀市川合 付近 [ストリートビュー]