紀州 備長炭 発祥之地

きしゅうびんちょうたんはっしょうのち

阪和自動車道 南紀田辺ICから車で約20分、紀伊本線 紀伊田辺駅から県道29号線を北東に約12km、道の駅 紀州備長炭記念公園の敷地内植込みに、石碑がある。

紀州備長炭は、元禄年間(1688~1704)に、紀州藩の炭問屋であった備中屋長左衛門がウバメガシを原料とした高品質な木炭の製法を確立し、江戸に広めたのが始まりである。その高品質さから、長左衛門の名を取って「備長炭」と呼ばれるようになった。紀州備長炭は、その硬さと火持ちの良さから、江戸時代を通じて高級木炭として珍重された。

紀州備長炭の製造は、窯入れから窯出しまで一貫して職人の手作業によって行われ、高温でじっくりと焼き上げる。特に、窯から取り出してすぐに灰をかぶせ、急冷する「ねらし」という工程が重要であり、これにより備長炭独特の硬さと光沢が生まれる。この伝統的な製法は、現在も紀州備長炭の産地である田辺市を中心に受け継がれている。

紀州備長炭は、その硬度、火持ちの良さ、そして燃焼時の煙が少ないという特徴を持つ。また、不純物が非常に少ないため、火をつける際にパチパチと音がしないことも高品質の証とされている。これらの特性から、料理用や燃料用としてだけでなく、水質浄化や脱臭など、様々な用途で利用されている。

古くは、梅林入口の交差点に大きな表示があります。

写真


碑文

紀州備長炭発祥之地

平成21年7月
秋津川史保存会建立

地図

地図

田辺市秋津川 付近 [ストリートビュー]