高座豚の 発祥地
こうざぶたのはっしょうち
小田急線・相鉄線 海老名駅から南東に約5km。“吉岡芝原”バス停の近くに精肉店“大久保商店”がある。店に向って右側に 左側に木製の洒落てはいるが古びた碑が建っている。
高座豚は、神奈川県の高座郡(現在:綾瀬市・海老名市・相模原市・座間市・茅ヶ崎市・藤沢市・大和市・寒川町)を中心に広く飼育された品種。この地域は火山灰質の土が推積した相模台地でサツマイモの栽培に適しており、これを餌として大正時代の中頃から養豚が盛んに行われた。高座豚は「肉質がきめ細かくて柔らかく脂身に旨味があっておいしい」とされ、やはり火山灰土を持つ薩摩地方の「黒豚」と並ぶ豚肉として知られていた。
しかし、高座豚は成育期間が他品種の2倍と長く、病気にも弱く、1頭から取れる肉量も少ないため、戦後の豚肉消費量の飛躍的な増加に対処できず、大量生産できる他品種に取って代わられてしまい、1970年代にはほぼ絶滅状態になった。
その後数人の養豚家が情熱を燃やし、子豚を輸入して研究と改良を重ね、昭和60年秋「高座豚」の復活に成功した。
大久保商店の道路を挟んで向かい側にある駐車場 店舗向かって右に、ピンク色に塗られた軽自動車が置かれ、「ここは 高座豚の 発祥地」と書かれている。この車の名前は「とんちゃん号」。ナンバープレートは『相模04ぶ10-11』。愉快。
「こうざぶた」のほかに「こうざとん」とも。
【リンク】大久保商店
平成27年(2015) 頃から、とんちゃん号は店の並びの、木碑があった場所に、木碑は店前左隅に移動したようです
写真
碑文
ここは
高座豚の
発祥地
高座豚の由来
当地(旧高座郡綾瀬村) 一帯は明治初期から養豚が 進み軽質の腐食性火山 灰土の畑作地帯で採れる サツマイモや麦を飼料に 豚の生育に適していた
当店々主大久保泰次ら 数名は昭和初期全国にさきがけ英国より中ヨー シャー種の種豚輸入し豚肉品質の改良に着手し初めて昭和十年(一九三五年)12月東京芝浦で開催された全国肉用畜産博覧会に於て最高位の名誉賞を受賞したのをはじめその後全日本養豚共進会に於ても常に肉豚種豚共に最高賞を頂き名実共に優良種豚の産地となっている
昭和五十二年十一月三日
勲五等
大久保泰次之建
近藤勇書