民間 航空 発祥之地碑
みんかんこうくうはっしょうのちひ
この地“小松島ステーションパーク”は旧国鉄の小松島駅(昭和60年[1985]に廃止)の跡地に造られた公園で、“狸ひろば”や“SL記念ひろば”などがある。
小松島出身の幾原知重氏は、アメリカの飛行学校に入学し大正2年(1913) に世界で244人目の“飛行免状”を取得。最新式のカーチス複葉機を購入して帰国した。当時の日本では人が空を飛ぶといいうことが非常に珍しく、幾原氏の帰国後は新聞社が主催する“飛行会”などで実際に飛行機を飛ばして雄姿を披露したりしていたが、故郷の小松島でも飛行会を開催することになった。
大正2年(1913) 2月15日、風が吹き天候の悪い中、大勢の観客の見守る中で飛行機は離陸。西に向かったが、数分後に機体が不調となり近くの水田に墜落。幾原氏はこの事故で負傷し、これが原因で3年後に死去した。
この発祥碑は命をかけた幾原氏の功績を称えて、平成6年(1994) に地元のロータリークラブによって建立された。
ちなみに、大正11年(1922) から昭和14年(1939) までの間、小松島と堺市との間に水上飛行機による航空路“阿摂航路”が開かれ、横須海岸の桟橋から飛行機が飛び立っていたという。
写真
碑文
民間航空発祥の碑
- 一、飛行日
- 大正二年十二月十五日
- 一、飛行
- 現在地より午後一時に日の峰山麓千代の松原へ向け発進す
- 一、着陸地
- 日開野町接待場
- 一、機種
- カーチス式複葉機
- 一、操縦士
- 幾原知重氏金磯町出身
- 一、幾原知重氏略歴
- 明治三十七年十六才にて単身渡米 サンチャゴカーチス飛行学校に入学 世界で第224番にて万国飛行免状を得 大正二年八月飛行機購入の上帰国す 飛行時年令二十七才
小松島ロータリークラブ創立四十周年記念事業として之を建つ
平成六年五月