とんかつソースが生まれた場所
とんかつそーすがうまれたばしょ
湊川駅から西に450m、川池公園(兵庫区松本通3丁目2-12)の時計塔支柱に金属プレートが貼り付けられている。この地、神戸市兵庫区松本通3丁目には、かつてオリバーソースの本社と工場があった。
オリバーソースの創業は、大正12年(1923)3月1日、道満清氏によって「道満調味料研究所」として神戸市兵庫区松本通りで始まった。その後、昭和22年(1947)には現在の川池公園がある兵庫区松本通3丁目に工場を移転し、「道満食品工業株式会社」に改称した。
戦後の昭和23年(1948)1月、この松本通3丁目の工場で、ウスターソースをコーンスターチで超濃厚にする技術を開発。世界で初めて「とんかつソース」として製品化された「オリバーとんかつソース」である。この「オリバー」という名称は、当時から道満食品工業が独自に採用していたブランド名であった。
この地は、老朽化した木造家屋が密集し、道路が狭く入り組んでいたため、防災性の低さが課題であった。そのため、昭和56年(1981)に地元との協議が開始され、昭和60年(1985)に都市計画決定がなされていた。
しかし、平成7年(1995)1月17日の阪神・淡路大震災により、工場は甚大な被害を受けた。この震災によって、松本地区の復興の必要性が高まり、区画整理事業が加速。再起不能とまで言われたオリバーソースは、震災復興に協力する形で、本社と工場をポートアイランドへ移転することを決定した。
平成9年(1997)7月にポートアイランドへの移転が完了した後、旧本社工場跡地は整備され、川池公園として生まれ変わった。そして、とんかつソース誕生の地を示すため、平成16年(2004)12月に、オリバーソースによって解説板が設置された。
写真
碑文
「とんかつソースが生まれた場所」
寄贈 オリバーソース株式会社
オリバーソースはこの地、松本通り3丁目に本社と工場がありました。
ハイカラ神戸に花開く洋食文化を背景に、戦後間もない1948年、
ウスターソースをコーンスターチで超濃厚にする技術がこの工場で誕生します。
それまでにない甘口でトロリとした舌触りのこのソースは
当時大評判だった料理の名前をとって「とんかつソース」と命名され
その後、全国に広がり、今では日本の食文化に欠かせない調味料になっています。
「とんかつソース」から「お好みソース」・「やきそばソース」・「どろソース」と
この工場からは次々に、姉妹品や新製品が販売されましたが
1995年、阪神淡路大震災により施設のほとんどを焼失してしまいました。
松本地区は、安全で快適な街づくりのため大規模な区画整理を行うこととなり
本社と工場はそれにともなってポートアイランドに移転いたしました。
あれから10年、我々は
今日も、神戸の街の香り漂うソースづくりに励んでいます。2004年12月
神戸市中央区港島南町3-2-2
オリバーソース株式会社 社員一同