謄写版発祥の地
とうしゃばんはっしょうのち
中央線・東北線(山手線・京浜東北線)神田駅の東側 すぐ近く。中央通りに面する神田中央通ビル(千代田区鍛冶町2丁目3-3)のエントランスの 壁面に銅のプレートが埋め込まれている。
謄写版(ガリ版)というと, 小中学校に, 先生が試験問題や その他のプリントを作っていた 懐かしい思い出がある。いや, 高校でも大学でも 企業内でも, ガリ版刷りの書類は大量に使われていた。 徐々に各種の簡易印刷機が使われるようになったが, 謄写版が廃れたのは 1970年代, つまりワープロが普及してからのことである。
謄写版を発明したのは 滋賀県蒲生町出身の堀井新治郎氏で, 今からおよそ110年前の 明治27年(1894) に 「堀井謄写版」の特許が申請された。神田鍛冶町のこの地は「謄写堂」という販売店が置かれた場所である。
堀井が住んでいた 滋賀県蒲生町には「ガリ版伝承館」という展示施設があって, 謄写堂の看板が展示され、こちらも 「謄写版発祥の地」を標榜している。
余談だが, この神田中央通ビルの1階には, コピーやコンピュータ出力サービスなどで有名な 「キンコーズ」の店舗がある(閉店)。謄写版との微妙な組み合わせが皮肉で面白い。
写真
碑文
謄写版発祥の地
東京神田区鍛冶町大通三番地
専売特許 謄写版販売元 〈堀〉謄写堂
電話本局千〇八十四番明治27年(西暦1894年)堀井新治郎父子が我が国
初の簡易印刷機を発明し「謄写版」と命名, 発売と同
時に鍛冶町の此の地に謄写堂を創業した。