三井 工業学校 創立之地
みついこうぎょうがっこうそうりつのち
西日本鉄道 天神大牟田線 新栄町駅から東に800m。三井化学㈱大牟田工場の北門に向って左手,道路手前に「三井工業学校創立之地」と刻まれた石碑が建っている。
三井工業学校は,現 福岡県立三池工業高等学校の前身となる工業学校で,わが国工業界の“志士”を育成する目的で,三井家によって設立された。三井が経営する三池炭鉱と付近の工場を実習場としていた。
沿革
- 1908年(明治41年)
- 「私立三井工業学校」を この地(福岡県三池郡大牟田町大字稲荷)に開設。三年制工業学校として発足。
- 1917年(大正6年)
- 財団法人となる。
- 1935年(昭和10年)
- 現在の校地(大牟田市上官町4丁目)に改築移転。
- 1948年(昭和23年)
- 学制改革により「私立三池工業高等学校」と改称。
- 1950年(昭和25年)
- 県営に移管し「福岡県立三池南高等学校」と改称。定時制併置。
- 1953年(昭和28年)
- 「福岡県立三池工業高等学校」と改称。
- 2008年(平成20年)
- 創立百周年。
余談だが,現在の三池工業高校の敷地(大牟田市上官町)は 昔の三池集治監の跡である。今でも当時のレンガ塀や石垣の一部がそのまま残されていて,福岡県の有形文化財に指定されている。
“集治監”は明治初期に設置された 現在の刑務所の前身となる施設で,収容者には厳しい強制労働が課せられた。“三池集治監”は,三池炭鉱での労働力を確保するために 明治16年(1883)に設置され,刑期が十数年以上の重刑のものが集められたという。その後 名称は“三池監獄”“三池刑務所”と変わり,昭和6年(1931)に宮原炭鉱の閉鎖に伴い閉鎖。その後 建物を改築して 昭和10年(1935)に 三井工業学校が移転してきた。
写真
碑文
三井工業学校創立之地
現 福岡県立三池工業高等学校
明治四十一年創立より昭和十年現在地に移転するまで此の地にあって有為なる人材多数を輩出せし思い出の地なり
母校創立八十周年を記念して同帰会之を建立す。昭和六十三年十一月吉日