最上川 発祥の地

もがみがわはっしょうのち

 
撮影:
2014年7月(写真 OLDMANさん)
2024年9月(写真 まさ・なち さん)

山形鉄道フラワー長井線 時庭駅から東北東に2km。最上川と白川の合流点に「最上川ビューポイント」という標柱が建っていて、その脇に「最上川発祥の地 ながい」の標識がある。

最上川は米沢市の西吾妻山を水源として、米沢盆地・山形盆地・新庄盆地・庄内平野を通って、酒田市で日本海に注く、延長230kmの川。流域面積は山形県の75%を占めていて、流域人口は山形県の80%にも達する。文字通り“山形県を代表する川”である。白川(置賜白川)は福島県と新潟県の間の飯豊連峰・種蒔たねまき山を水源として長井市で最上川と合流する、延長56kmの支流。

ビューポイントの標識の建っている白川との合流点から上流の最上川は、以前は“松川”と呼ばれていて、“最上川”はこの合流点が起点となっていた。このことから この地が「最上川発祥の地」だとされた。

余談だが、ものの本によれば「発祥とは 物事が起こり始まること」とされている。同様の意味合いを持つ言葉には“起源”“ルーツ”などがあるが、いずれも“時間的に初めて起こった”ことを指していると思われる。
これに対して「最上川発祥の地」は、“最上川の起点がここだ”という“場所的な始まり”の意味で使われている。このような「発祥の地」は他に例を見ない、独特の表現である。

写真

  • 最上川 (2024)
  • 最上川ビューポイント (2024)
  • 最上川 (2024)
  • 最上川発祥の地 (2024)
  • 最上川発祥の地 (2024)
  • 最上川発祥の地
  • 最上川発祥の地・大河合う所 河井

碑文

最上川発祥の地ながい

最上川発祥の地・大河合う所 河井

 小さい頃、自然の楽しさ、面白さ、恐ろしさを教えてくれたおじんちゃ、おばんちゃ、親父やおふくろ・・・・ そして、先輩や仲間、兄弟達と山で木登りをしては落っこってしまって・・・でも落ち葉でスポンジの様にふわふわしてたっけ・・・川で泳いでは向こう岸まで先輩、仲間と一緒に死に物狂いで泳いだっけ・・・転んですりむいてはよもぎの葉っぱの汁を付けあった悪ガキ達・・・腹がへってはどこの畑か分らないのにキュウリやスイカやウリを黙って頂き、皆で食べたものだ・・・・自分の家の子供もよその家の子供もみな同じ、自分の家の子供のように目を細めて黙って見逃してくれたなー・・・・・小学校では朝礼で“ひろき野を流れ行けども最上川・・・・・・・”歌ったっけなー最上川って豊田だぞって話したものでした・・・・
ファミコンや塾も無い、自然と遊ぶことしかないその時代から少しも変わらぬ大自然と川の流れ・・・
先輩が、仲間、後輩、兄弟を大切に思う心と強く人生を生き抜く力を与えてくれた古里、河井・・・・日本海まで183.3km最上川の最初に位置するこの豊田の河井・・・・先人が水を求めてこの地に住をなしてから、何百年、いや何千年・・・この地に基礎を築き、井戸を堀った先人達をいつの世も忘れてはならない・・・そしてこの里に根を降ろした私達は、その心とこの風土を子供、孫、曾孫の代まで大事に残していきたいものだ。
その為には、今私達がそれぞれにできることを世代、年代を問わず実行しよう。魚の見える川を作ろうか・・水鳥や野鳥の森を作ろうか・・釣竿をたらして芋煮会でもするか・・河原でオートキャンプやバーベキュウも良いなぁー
トラックに積んで新宿歌舞伎町にもっていけるものでもないこの山河・・・・私たちにだけ頂いたこのロケーション・・・・・七色のネオンはないけれど、太陽に輝く水面と、月を写す鏡のような川があるんだ・・・・木々の間を通り過ぎるさわやかな風があり、鴨やしらさぎや白鳥の舞う緑の大自然があるんだ!ナー日本人、忘れてならない 山 と 河。

平成12年1月23日

河井河川愛護会

最上川ビューポイント

最上川ビューポイントとは、山形県の「母なる川・最上川」への関心と愛着を深めることを目的として、山形県が平成十年三月に最上川の良好な眺めを得られる地点を公募し、県内外から寄せられた二五八件一二九ポイントの中から、最上川ビューポイント選定委員会(委員長:横山昭男山形大学名誉教授)により選定された十一景(選定委員推薦一地点含む)のこと。
この十一景の一つに長井市豊田地区河井(松川・白川合流点)左岸が選定され、置賜白川と松川が合流し、最上川として日本海まで繋がる起算を表す「最上川発祥の地」と彫り込まれた石碑が立つ景勝地で、最上川ビューポイントから日本海までの延長は約一八三kmとなっている。
ゆったりとした松川に流れの速い置賜白川が入り込んで白波を立て、川はS字を書いて下流を目指し、二つの流れが出会う音が聞こえる雄大な自然の営みが実感でき、別天地の雰囲気を味わうことができる場所となっている。
なお、河川法の告示により昭和四十年四月一日から最上川の源流が山形県と福島県の県境にある西吾妻山の「火焔の滝」(四六km上流)に改められたことに伴い、松川の呼称はなくなっている。

【参考:十一景】
一.米沢市(西吾妻スカイバレー駐車場)赤滝・黒滝(鬼面川~大樽川ライン)
二.長井市豊田地区河井(松川・白川合流地点)左岸
三.白鷹町大字荒砥甲字七反二(荒砥橋付近)右岸
四.朝日町大字玉ノ井字坂外左岸
五.大江町大字左沢字楯山(楯山公園・最上川舟唄碑前)左岸
六.村山市大字大淀字田向右岸
七.大石田町大字川前字ハケツ山(川前観音堂境内)左岸
八.新庄市大字本合海字本合海(芭蕉乗船の地)右岸
九.戸沢村大字古口字古口(最上川・角川合流点)左岸
一〇.松山町(現酒田市)大字土渕字大平(眺海の森・峰の薬師公園)右岸
一一.酒田市大字堤町(最上川スワンパーク)右岸

平成二十九年三月

とよだふる里振興会

地図

地図

長井市河井 付近