パーソナルコンピュータ 発祥の地
ぱーそなるこんぴゅーたはっしょうのち
秋葉原駅前にある“ラジオ会館”の7階。階段を上りきった階段ホールの壁面に直径50cmほどの丸いプレートが飾られている。ホールを出るとそこは“ボークス”というフィギュアの店になっている。
ここはかつてNECの"Bit-INN LOUNGE"があった場所。Bit-INNは昭和51年(1976)、日本のマイコンブームの火付け役となった「TK-80」が登場した年に開設された。
TK-80は8ビットマイコン8080のトレーニングキットで、手頃な値段でBASIC言語が使えるこのキットは爆発的に売れた。ちなみにTK-80の価格はたしか85,000円!今なら新品のパソコンが1台買えてしまう。マイコンのキットがPC8001というパソコンに替わる中で、Bit-INNはPC情報を提供する場として大きく寄与した。全国各地に同名の施設が置かれたが、秋葉原の Bit-INN LOUNGE はその中心になる存在だった。
パソコンの普及により Bit-INN LOUNGE は役割を終え平成13年(2001) に閉鎖された。
Bit-INN LOUNGE の跡スペースには、フィギュアの専門店ボークスが開店。これをきっかけに(?)秋葉原にはフィギュアの店が多数開店しており、最近の秋葉原は“電気街”だけではなく、“フィギュアの街”の様相を呈している。
建て替えられたラジオ会館
平成26年(2014) にラジオ会館自体が建て替えられ、再オープンしてから訪れてみたがプレートはどこにも見当たらなかった。
更に時が経ち、令和元年(2019) 9月28日 パーソナルコンピュータの日にNEC PC-8001発売40年を記念して「PasocomMini PC-8001」の一般発売イベントがラジオ会館10階イベントスペースで開催された。
PasocomMini PC-8001 とは、パソコン40年を記念し、往年の名機 NEC PC-8001 の筐体を模して超ダウンサイジングしたNEC PC-8001エミュレータで、N-BASICが走る。NECの新しいノーパソ LAVIE Pro Mobile を購入して希望すると2000人にプレゼントされた。なんとしても手に入れたいという声が多かったため、10月から一般発売された。
このイベントが、NEC PC-8001 発売日である昭和54年(1979) 9月28日のちょうど40年後にラジオ会館で開催されるということで、「パーソナルコンピュータ発祥の地」プレートも展示すると予告があった。それを当日知り、万難排して馳せ参じてきた(笑)。
プレート自体は、ラジオ会館オーナーが管理しているということで、今後、しまいっぱなしではなくどこかに展示するなどの方法を考え中であるとのコメントをいただいた。
写真
碑文
パーソナルコンピュータ発祥の地
日本のパーソナルコンピュータは、
NEC Bit-INN 東京で誕生し、 全国に拡がりました。TK-80
- CPU : μPD8080A
- メモリ : ROM 768Byte RAM 512Byte
- キーボード : 数字とA~Fの16進キー
- ディスプレイ : 7セグメントの日の字型LED 8個
- 言語 : マシン語
1976年 マイクロプロセッサトレーニングキット「TK-80」販売開始
NEC