指紋 研究 発祥の地
しもんけんきゅうはっしょうのち
外国人居留地であった築地・明石町の一角、現在聖路加ガーデンと聖路加国際病院の間の歩道上の緑地に、植込みに埋れるように石碑が置かれている。
宣教師であり医師でもあった英国人ヘンリー・フォールズは、日本に滞在したのは12年間であったが、その間に築地病院を開設するなど医療活動に活躍した。(築地病院は現在の聖路加国際病院の前身)
碑文にもあるように、日本における指印の習慣に興味を持ったフォールズは、指紋によって個人の識別ができることを発表し、多くの関心を集めた。
その後イギリスを中心に本格的な研究が行われ、「指紋は個人によってすべて異なり、遺伝によって受け継がれず、一卵性双生児でも異なった指紋を持つ」ことが立証された。フォールズは指紋を、弓状紋・蹄状紋・渦状紋など5つの基本パターンに分類し、後に犯罪捜査に利用されることになった。
写真
碑文
指紋研究発祥の地
ヘンリー・フォールズ住居の跡
ここは明治初年にあった築地居留地の18号地で 英国人医師ヘンリー・フォールズ(1843~1930)が 明治7年(1874) から同19年(1886)に至る滞日中に居住した所である。
フォールズは スコットランド一致長老教会の宣教師として来日し キリスト教布教のかたわら 築地病院を開いて診療に従事し また日本人の有志とはかつて 盲人の保護教育にも尽力した。
彼はわが国でおこなわれていた指印の習慣に興味をもち たまたま 発掘された土器に印象されていた古代人の指紋を発見し これに ヒントを得て ここではじめて科学的な指紋の研究を行った。
明治13年(1880)10月 英国の雑誌「ネーチュア」に日本から投稿した彼の 論文は 科学的指紋法に関する世界最初の論文といわれ その中で早くも 犯罪者の個人識別の経験を発表し また指紋の遺伝関係にも言及している。
明治44年(1911)4月1日 わが国の警察においてはじめて指紋法が採用 されてから満50年の今日 ここ ゆかりの地に記念碑を建立し その 功績をたたえるものである。