新聞 発祥之地

しんぶんはっしょうのち

中央本線 甲府駅から南東に600m。NTT東日本山梨支店 甲府電話交換所の南側, 道を隔てて向い側の駐車場脇に黒御影石の石碑が建っている。

明治5年(1872) にこの地で「峡中新聞」が創刊された。当初は木版刷りでほぼ月刊の県庁広報紙だった。しかし 甲州における明治初期の農民一揆のため発行不能に陥り, わずか8号まで発行しただけで終刊となり, 翌年「甲府新聞」と名前を変えて発行されるようになった。明治9年(1876) には「甲府日日新聞」と改称, 1822号まで発行された。

一時休刊の後, 明治14年(1881) から 現在の「山梨日日新聞」と名称を変えて日刊となり 現在に至っている。

以上の歴史を踏まえて, 山梨日日新聞は「山梨日日の発祥地でしょ」というだけでなく「現存する我が国最古の新聞」の発祥地として, 昭和47年(1972) に創刊百周年を記念してこの碑が建てられた。碑文に刻まれているものの「山梨日日の発祥地ごときでw」と言われているのが現実だ。

一方, 毎日新聞も 明治5年(1872) に「東京日日新聞」として創刊されていて, やはり 「日本最古の新聞」と称している。「東京日日新聞」の創刊は明治5年(1872) 2月21日, 「峡中新聞」は同年の7月1日とされているから, 東京日日の方が「最古の新聞」に該当するように思われるが, それ以外の事情は不明である。

ちなみに, 日本における最初の日刊新聞は明治3年(1870)「横浜毎日新聞」であるが、現存しない(現在の毎日新聞とは無関係)。また, 「読売新聞」の創刊は 明治7年(1874) で, 「同じ題号で続いた最古の新聞」と称している。

写真

  • 新聞発祥之地
  • 新聞発祥之地
  • 新聞發祥之地 (2024)
  • 新聞發祥之地 (2024)
  • PP2_5234.jpg
  • 新聞發祥之地 (2024)
  • NTT甲府電話交換所(2024)

碑文

新聞發祥之地

峡中新聞は明治五年七月一日 甲府八日町十六番屋敷の地において創刊された のち改題して 甲府新聞 甲府日日新聞を経て今日の山梨日日新聞に至る 現存する わが国最古の新聞である ことし創刊百年に当り 発祥の地をもとめて 現甲府市中央四丁目二ノ二七を得た よってここに建碑して長く記念とする

山梨日日新聞創刊百年
昭和四十七年七月一日

山梨日日新聞社会長野口二郎 建之

碧堂荒井衛一書

地図

地図

甲府市中央4丁目 付近 [ストリートビュー]