山梨県 土木請負業 第一号 発祥之地(移設)

やまなしけんどぼくうけおいぎょうだいいちごうはっしょうのち

中央本線 甲府駅から西に500m。甲府共立病院の向い側に6階建ての長田組土木㈱の本社ビルがある。敷地の入口に "PLYMOUTH"と書かれた おもちゃのような蒸気機関車が陳列されており, これとならんで「山梨県土木請負業第一号発祥之地」と書かれた石碑が建っている。

長田(おさだ)組土木は山梨県内大手の土木建設会社だが, 明治末に中央線の八王子-甲府間の線路敷設工事が行われた際に, 長田忠衛門氏が長田組土木を創業してこの工事を請負った。

この区間は小仏峠や笹子峠などの難所があり, これを笹子トンネル(4.7km)、 小仏トンネル(2.6km)という、当時としては長大なトンネルを掘ることになった。このころの土木工事はもっぱら人力に頼る工法によっていたが, 工事を請け負った長田組土木は プリムス製の機関車を導入するなどして工期の短縮に大いに貢献した。

陳列されている機関車は, 屋外の野ざらし展示にも関わらず, 最近造られたレプリカかと 思わせるほど きれいな状態であり, 非常にマメに保守されている様子がうかがわれる。


現在は当地は建物はそのまま共立病院東館を経て事業協ビルの看板が掲げられており、空地部分には立体駐車場が構えており、碑の存在は確認できない。

長田組土木㈱は平成20年(2008)、東京地裁に民事再生手続開始を申し立た。翌年甲府市飯田4丁目に移転し、プリマス機関車は相変わらず手入れが行き届いたピカピカ具合で佇んでいるが、「発祥の地」の標柱は見えるところには無い。令和4年(2022) 頃に 建て替えられたが、やはり機関車は飾られていても「発祥の地」は見えるところには無い(移転したので発祥の地ですらないわけだが)。

写真

  • 山梨県土木請負業第一号発祥之地 プリマス機関車
  • 山梨県土木請負業第一号発祥之地 説明板
  • 山梨県土木請負業第一号発祥之地
  • 山梨県土木請負業第一号発祥之地
  • 山梨県土木請負業第一号発祥之地
  • 山梨県土木請負業第一号発祥之地
  • 山梨県土木請負業第一号発祥之地 プリマス機関車

碑文

山梨県土木請負業
第一号発祥之地

明治36年6月11日日本鉄道会社(日本国有鉄道)中央線甲府−八王子間が開通, 明治38年10月1日には甲府駅が誕生した。 正しく陸の孤島山梨の黎明であった。
当時我社の創業者長田忠衛門は中央線の重要性を認識し幾多の困難な用地問題等の解決に尽力した。
当時工事施工は人力依存であり未曾有の難工事であったが克く之をなしとげたのである。
この記念すべき機関車は当時早期工事完遂の為土砂運搬用に米国PLYMOUTH社より当時の最新鋭機を採り入れたものでその威力に人々は驚異の目をみはったという。
又社屋内の鑑札は当時の請負人土木事業許可証「山梨県土木請負業鑑札第一号」であり創業者の不撓不屈の精神と人徳とを称え当時の碑と共に本社庭園に建立されていたものであるが時代の変遷を経たのでその一部を此処に再現したものである。

昭和61年9月吉日
長田組土木株式会社

地図

地図

甲府市丸の内2丁目 付近