栃木県議会 発祥の地
とちぎけんぎかいはっしょうのち
両毛線・東武日光線の栃木駅から北へ約1km。栃木市役所の東隣りに別館が建っていて, その前に 大きな自然石の発祥碑がある。
廃藩置県のあと 1871(明治4)年に, 下野国は 栃木県と宇都宮県の2つに分かれ, その2年後には両県が合併して栃木県となった。 この地は栃木県庁が置かれ, 政治・経済・文化の中心として栄えたが, その後 1884(明治17)年に県庁は宇都宮市に移された。栃木市は 埼玉県の川越市・千葉県の佐原市とともに「小江戸」と呼ばれ, 古い街並みが見られる。
現在市役所別館となっているこの建物は, 1921(大正10)年に県庁跡に栃木町役場として建てられたもので, 時計塔と玄関ポーチなど大正時代の洋館の特徴が見られる美しい建物である。国の有形文化財に登録されている。
写真
碑文
栃木県議会発祥の地
明治十二年四月十四日、都賀郡薗部村(現栃木市)の栃木県庁敷地内遥拝所を仮議場として 栃木県最初の県議会が開かれた。 前年の府県会規則にもとづき、同十二年四月第一回の県会議員選挙が行われ、 三十六名の議員が選出された。県会は安生順四郎氏を議長とし、 百般草創、議事万端にわたる議事を進め五十日間で閉会した。 まさに本県における近代的代議制度の黎明を告げるものであった。
本年は、この歴史的県会が開かれてより満百年を迎えることになる。 この時に当り、栃木県議会は先人たちの一世紀にわたる政治的偉業をしのび、 さらに議会制民主主義の一層の発展を誓い、 由緒あるこの地に記念碑を建ててこれを後生に伝えるものである。
昭和五十四年十一月一日
栃木県議会建立
大町雅美撰
七海水明書
コメント