わさび漬 発祥の地
わさびづけはっしょうのち
静岡鉄道 清水線の始発駅、新静岡駅から見て西にある静岡県庁の裏側、内堀南側に面して石碑がある。碑の上に乗っているのは、わさび漬けの樽とわさびを模した彫刻で、宇都宮駅前のギョウザの彫刻を連想させる大傑作である。
わさび漬けとは、山葵の葉や茎、根など刻んで、調味した酒粕に漬けたもので、酒粕の香りと山葵の刺激が楽しめる。酒粕が無いと始まらないわけで、清酒が出回りはじめる江戸時代に考案され、明治22年(1889)に東海道線が開通し、静岡駅のお土産品として販売。その後人気となり、お土産品としての静岡での地位を獲得していった。
静岡市の中心に駿府公園がある。徳川家康が隠居後に居城とした駿府城の跡である。ほぼ正方形の内堀の中は駿府公園として公開され、内堀と外堀の間の空間は県庁をはじめとする官庁街と、学校や文化会館などの公共用地として利用されている。
写真
碑文
わさび漬発祥の地
わさびは 370年前 我が国で始めて 安倍川上流有東木で栽培された。わさび漬は今から200余年前駿府のわさび商人によって始めて考案され幾多の人に受け継がれて改良進歩した。特に明治以後 交通機関の発達により長足の発展を遂げたのである。こゝに明治百年を記し先覚者の偉業を偲び感謝の誠を捧げてこの碑を建つ
昭和43年5月23日 静岡県山葵漬工業協同組合