洋紙 発祥之地

ようしはっしょうのち

京浜東北線・東京メトロ 南北線・さくらトラム(都電荒川線)が乗り入れる王子駅前の商業施設サンスクエアの前に, 石碑と説明板が建っている。

ここは 澁澤榮一が 日本で最初の製紙工場を作った場所で, 戦前まで王子製紙の工場が操業していた。

渋沢栄一は欧州を視察し, 明治維新後 大蔵省の一員として新しい国づくりに深く関わり, 退官後 「第一国立銀行」を創設, さらに東京海上火災保険, 東京ガス, 清水建設, 王子製紙, 新日本製鉄, サッポロビール, 帝国ホテル, 日本郵船など 日本を代表する企業の設立に関与し, 生涯に500社もの企業に関わるなど, 超人的な活動をした。

また教育にも情熱を傾け, 一橋大学, 日本女子大, 東京女学院などの学校の設立に奔走したと言われる。


日本銀行券の肖像が澁澤榮一に交替するからなのか、碑の背景の建物の壁面が洋紙発祥を強く訴求するものに改められた。

写真

  • 洋紙発祥之地 駅側から
  • 洋紙発祥之地 碑文
  • 洋紙発祥の碑 説明板
  • 洋紙発祥之地

碑文

洋紙発祥之地

此地ハ明治五年十一月渋沢栄一ノ発議ニ因リ創立シタル王子製紙株式会社ガ英国ヨリ機械ヲ輸入シ洋紙業ヲ起セシ発祥ノ地ナリ当時此会社ハ資本金拾五万円ヲ以テ発足シ同九年畏クモ明治天皇英照皇太后昭憲皇太后ノ臨幸ヲ仰ギ奉リ東京新名所トシテ一般ノ縦覧スル所トナレリ 同社ハ昭和二十四年八月苫小牧製紙十條製紙本州製紙ノ三社ニ分割スルニ至ルマデ名実共ニ日本洋紙界ノ中心タリキ茲ニ八十年ノ歴史ヲ記念シテ永ク洋紙業発展ノ一里塚トセン

昭和二十八年十月

藤原銀次郎 撰文
高島菊次郎 篆額
近藤高美 書

洋紙発祥の碑

 日本の洋紙生産は, 明治6年 (1873年) ヨーロッパの先進文明を視察して帰国した渋沢栄一 が「抄紙会社」を設立し, ここ王子に製紙工場を作ったことから始まりました。
 田圃の中, 煙を吐くレンガづくりの工場は, 当時の錦絵にも描かれ, 東京の新名所になりました。その後 日本の製紙業に大きな役割を果たしましたが, 昭和20年 (1945年), 戦災により その歴史を閉じました。
 この碑は, 工場創立80周年を記念し, 昭和28年, その跡地に建てられたものです。

日本製紙株式会社

地図

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北区王子1丁目 付近 [ストリートビュー]