世附 百万遍 念佛 発祥の地

よづくひゃくまんべんねんぶつはっしょうのち

御殿場線 谷峨やが駅から 北におよそ8km。丹沢湖岸を走る県道729号 世附よづく大橋の東に,大きな“望郷の碑”と並んで「世附百万遍念佛発祥の地」と刻まれた灰色の石碑が建っている。

“百万遍念仏”とは,祈祷・追善などのため大型の数珠を多数のものが順送りして,同音に唱える念仏のこと。複数の人間が同時同音で念仏を唱えれば,互いの念仏を足し合わせた回数でよいとする考え方もある。

世附(よづく)地域に伝わる百万遍念仏は,一般に行われる百万遍と少し違うもので,長さ9mもある大数珠を巨大な滑車に取り付け、屈強な男たちが回転させる形式。全国的に珍しい行法だという。600年前の南北朝時代の発祥と伝えられている。

念仏の後には,獅子舞や遊び神楽という行事が行われる。この行事は神奈川県の無形民俗文化財に指定されており,昔から 毎年2月に世附の能安寺で行われていたが,現在は 三保ダム建設に伴い能安寺の移転先(山北町向原2499)で行われている。

“世附”は酒匂(さかわ)川水系の世附川沿いにあった 戸数125戸の集落だったが昭和49年(1974) に完成した三保ダムの人造湖(丹沢湖)に水没した。現在は 集落の遺構等は見られないが,旧集落を見下ろす湖畔に“望郷之碑”や供養塔などが置かれている。

写真

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碑文

世附百万遍念佛發祥の地

地図

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山北町世附 付近 [ストリートビュー]