駅弁発祥の地 宇都宮
えきべんはっしょうのちうつのみや
東北線・東北新幹線 宇都宮駅 西口前。 バスターミナルから 駅ビルを左手にして見える松廼家ビル(宇都宮市駅前通り3-3-1)の屋上に「駅弁発祥の地 宇都宮」という看板が出ている。
㈲松廼家は 宇都宮駅で駅弁を販売している業者の中で最も歴史が古く,明治26年(1893) の創業といわれる。
駅弁の発祥については 諸説あって,定説となっているものはまだないらしいが, 明治18年(1885) に宇都宮駅が開業した日に,旅館「白木屋」が“おにぎり2個にたくあんを添えた弁当”の販売をはじめ, これが日本で最初の駅弁と言われた。
しかし,より早い時期に駅弁を販売していたという反論があって, 宇都宮発祥説はほぼ否定されてしまった。たとえば,高崎駅では 宇都宮駅の前年におにぎり弁当を販売したとされ,他にも 大阪・梅田駅や神戸駅では 明治10年(1877) 頃 など,いくつかの例が報告されている。
それでも 宇都宮が発祥の地を自称してやまないのは, 他の駅のデータも“確たる証拠”が少ないためなのかもしれない。
最近 駅の内外に飲食店が増えて駅弁を買う人が少なくなり,また 列車の高速化に伴い弁当を購入する必要性も低下するなど, 駅弁の販売は減少方向にあると言われる。しかし 各地の特産品などを盛り込んだ弁当への根強い需要があり, デパートなどで開催される“駅弁大会”の売上げは 毎年衰えをみせず, ドライブイン・インターネット通販などでの販売も広がっている。
松廼家ビルは令和9年(2027) 解体の予定となっているが、令和6年(2024) 3月にはすでに存在しない。
写真
碑文
駅弁発祥の地 宇都宮
創業明治26年
松廼屋