福巻寿司 発祥の地

ふくまきずしはっしょうのち

東武宇都宮線 安塚駅から北に1.7km。国道121号が栃木県道2号線と合流する“淀橋南”交差点の南西に“磐裂根裂いわさくねさく神社”がある。社殿横の社務所前に「福巻寿司発祥の地」と刻まれた石碑があり, 八角形の方位を示す石盤の上に乗った小さな祠「恵方社」が,赤い矢印で今年の恵方を示している。

“福巻寿司”は “恵方巻えほうまき”などとも呼ばれ, 2月3日の節分の夜に食べると縁起が良いとされる のり巻き(太巻き寿司)のことで, 関西を中心に広まり,現在では海苔業界の宣伝効果によりほぼ全国に広まっている行事(習慣)。

恵方巻の発祥については諸説あるが,いずれも確証がない。

その一つに大阪発祥説がある。 江戸時代の末期から明治時代初期にかけて 大阪の商人の間で 商売繁盛の祈願事として行われていたという。これを 昭和の初めごろ,大阪の鮨商の組合が“節分の丸かぶり寿司”というチラシを配って宣伝。1970年代になって大阪の海苔問屋の組合と寿司屋とが共同で 節分に太巻きを食べるキャンペーンを展開し,商業ベースで“丸かぶり”の習慣が定着していった。

もう一つ有力な説の一つは,ここ磐裂根裂神社の節分祭に始まったとするもの。

毎年の節分祭に,太さ5cm 長さ20cmほどの「夢福巻き寿司」が 拝殿内で参列者に振る舞われ, 太鼓の合図とともに全員が今年の恵方を向いて 丸かじりする。太巻きを鬼の金棒に見立てて「邪気を祓う」という意味があり,切らずに長いまま太巻きを食べることで「縁を切らない」という意味があるとされる。

残念ながら この神社でいつごろからこの行事が行われていたのか,詳しい事情が明らかでないが, 関西中心に広まったと思われている恵方巻が 北関東で発祥したという説は,意外性があって興味深い。

写真

  • 福巻寿司発祥の地 今年の恵方
  • 福巻寿司発祥の地
  • 福巻寿司発祥の地 恵方社
  • 福巻寿司発祥の地 2010年の恵方
  • 磐裂根裂神社
  • 福巻寿司発祥の地
  • 東側県道2号沿いには 福巻寿司発祥の社 と出ている
  • 東側県道2号沿いには 福巻寿司発祥の社 と出ている

碑文

福巻寿司発祥の地
福巻寿司について一言

毎年二月節分にその年の恵方を向いて福巻寿司を無言で食べる祈願祭です。
寿司の中身は当地区特産物干瓢その他全部で五品はいっております。
常にはここの恵方に手を合わせ招福・開運を授かって下さい。

御利益  厄除・方位除・家内安全・身体健全等

社務所

地図

地図

壬生町安塚 付近