へら鮒発祥の地

へらぶなはっしょうのち

現存せず
撮影:
2012年5月(写真 T.K.さん)
2019年9月

富士急行線 河口湖駅から西。富士五湖の一つである精進しょうじ湖の西岸,国道358号沿いに“湖畔荘”という釣り宿(?)がある。この建物の横に「へら鮒発祥の地・精進湖」と書かれた看板が出ている

へら鮒は 琵琶湖水系に生息してきたゲンゴロウブナ(コイ科フナ属)がルーツである。昭和の初期に大阪近辺の養魚家が食用魚として飼育する間に,突然変異で大型化したものを選別飼育した,人間の手により創り出された品種。形が偏平で体高が高く,料理や道具の名称“へら”に似ていることから“へら鮒”という通称で呼ばれる。大きさは成魚で30cmくらいになり,なかには50cmを超えるものもいる。

釣りの対象として 各地の川や湖沼に放流された結果,現在は沖縄から北海道まで 全国に分布している。ちなみに 琵琶湖における小型のゲンゴロウブナは数が減少し,絶滅危惧種に指定されている。

へら鮒(ゲンゴロウブナ)の発祥の地は 琵琶湖または琵琶湖につながる余呉湖であるといわれ,少なくとも精進湖ではない。したがって この看板は「へら鮒釣り発祥の地」という意味だろうと思われるが,精進湖とへら鮒釣りを結びつける資料は見あたらず,この看板が意味するところは正確にはわからない。


近くまで行ったついでに寄ったところ、朽ちたのか、表示は無くなっていた。ついでに言えば道路のセンターラインも消えて見えなくなっていた。

写真

  • 撤去済 (2019)
  • へら鮒発祥の地
  • へら鮒発祥の地と湖畔荘

碑文

へら鮒発祥の地

精進湖

地図

地図

富士河口湖町精進 付近 [ストリートビュー]