金剛流 発祥之地
こんごうりゅうはっしょうのち
大和路線(関西本線)法隆寺駅から北西に2km。斑鳩町立たつた保育園の西隣りに龍田神社(生駒郡斑鳩町龍田1丁目5-3)がある。神社の鳥居をくぐって左側の蘇鉄巨樹前に「金剛流発祥之地」と刻まれたやや大型の石碑と説明板が建っている。
能楽の金剛流は,大和猿楽四座(結崎・円満井・外山・坂戸)の一つ「坂戸座猿楽」がルーツで,ここ斑鳩の里を発祥の地とする。大和四座は,大和一円の大寺に所属した猿楽座で,外山座と結崎座は 現在の談山神社に,円満井座は興福寺に,坂戸座が法隆寺に属したといわれ,後にそれぞれ 観世座・宝生座・金春座・金剛座と呼ばれるようになった。
坂戸座は 坂戸孫太郎氏勝を流祖とし,6世の三郎正明から「金剛」を名乗った。華麗・優美な芸風から「舞金剛」,装束や面の名品を多く所蔵することから「面金剛」などとも呼ばれる。豪快な芸風で知られた 7世金剛氏正は「鼻金剛」の異名を取り,中興の祖とされる。江戸初期に金剛流から喜多流が分派し“四座一流”と呼ばれるようになった。
この発祥碑は,斑鳩町制施行50周年を記念して,平成9年(1997) に建立された。
写真
碑文
金剛流發祥之地
平成九年二月吉日建立
斑鳩町
金剛流