観世座 発祥の碑

かんぜざはっしょうのひ

学研都市線(片町線) 松井山手駅から 南西に1km。田辺市役所方面から松井山手駅方面に抜ける“山手幹線”の南側に 田辺市消防署北部出張所があるが, その裏(南)側の道が 虚空蔵谷川を越える付近に,30cmほどの距離で向かい合っている2つの石碑がある。 一つは「観世座発祥の碑」と書かれた新しい碑,もう一つは「山神」という古い石碑。

京田辺市には これとは別に「能楽発祥の碑」というものがあり,そこには,
『能楽は薪能即ち金春能に初まり 次に宝生能 観世能は大住に 金剛能は大和に発祥した』
と書かれていて,金春・宝生・観世の3つそれぞれについて発祥碑が建てられている。

能楽は 猿楽が発展したもので, 室町時代に 金春座・金剛座・宝生座・結崎座 (観世座) という“四座”が成立した。観世座は,伊賀出身の観阿弥が 奈良県の結崎に移り住んで“結崎座”と称したものと言われ, 一般に 結崎が 観世流の発祥の地とされている(「観世発祥の地」参照)。それに対して 京田辺市が 観世座の発祥の地であるという説は,この発祥碑以外には見られない。

ところで、山神碑と向かい合う形で建てられているが, これはどのような意味があるのだろうか。

写真

  • 観世座発祥の碑と山神碑
  • 観世座発祥の碑
  • 観世座発祥の碑

碑文

観世座発祥の碑

昔は虚空蔵の岩の崎に観世音が祭られていたが
観阿弥・世阿弥父子は これを信仰し その座を
観世座と名付けた また結崎座といったのは
次の如く転音するからである
イハサキ(岩崎)→イホサキ→ユフサキ(結崎)

   平成元年十一月三日
     文学博士 志賀 剛 撰文
          新留 琳峰 書
          下村 信夫 建之

地図

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京田辺市大住虚空蔵谷 付近 [ストリートビュー]