濁川温泉 発祥の地
にごりかわおんせんはっしょうのち
函館本線 石谷駅から東に5km。噴火湾に沿って走る国道5号から道道778号を南西に入り,濁川温泉方面に向かう。
濁川温泉郷は 温泉宿泊施設がポツボツと離れて7軒という小規模な温泉だが,その入口に元湯神泉館“にこりの湯”という温泉施設がある。その施設の裏手に ヤグラが組まれていて,そこから滔々と湯が噴出しており,高さ2mほどの石碑が建っている。
濁川温泉の発見は寛政10年(1798) に遡る。本格的な湯治場として利用されるようになったのは文化2年(1807) から。当時の村役人・加賀屋半左衛門が 探検家として有名な間宮林蔵とともに,病気回復のための 温泉施設の開設を箱館奉行所に願い出た。 以来200年を経て,現在は 日帰りの入浴施設になっているが,本館の裏手にある泉源からは 豊富な温泉が噴出している。
“にこりの湯”の前には,濁川温泉についての,次のような説明文が掲げられている。
濁川温泉
濁川温泉は,文化四年(1807)幕府役人小川喜太郎と間宮林蔵の命により石倉村の加賀屋半左衛門が,「元湯」を開設したのが始まりです。遠くは仙台からも湯治客が訪れ,浜が豊漁のたびに地元客で大変ににぎわいを呈しました。また濁川地区は,噴火により形成されたカルデラ地です。
このことから地熱発電も営業されています。農家では蒸気を利用したハウスでトマト,キュウリなどが栽培されています。森町
写真
碑文
濁川温泉発祥の地
文化四年 開設者 加賀屋半左衛門
昭和五十八年十月建立
森町教育委員会