諏訪温泉の発祥地
すわおんせんのはっしょうち
中央本線 茅野駅から西に3.5km。諏訪市博物館の正面エントランスの左手前側に神宮寺足湯がある。 足湯の入口の看板に「諏訪温泉の発祥地」と書かれている。
諏訪地方は温泉の宝庫である。南の諏訪大社上社から北の下社に向かって,諏訪湖の東岸に沿って一直線に (厳密には逆“く”の字の形で) 源泉が並んでいる。現在はまとめて 上諏訪温泉・下諏訪温泉 などと呼ばれているが, かつては 神宮寺温泉・飯島温泉・福島温泉・小和田温泉・湯の脇温泉・七ツ釜温泉・三ツ釜温泉・綿の湯温泉 などの源泉があった。現在 一部は痕跡を残すのみとなっているが,現在も温泉を汲み上げているところも多い。
神宮寺は,神仏習合の時代に 諏訪社上宮に付属して建てられた寺で, 明治になって廃仏毀釈によって取り壊され, 現在は消滅している。 神宮寺温泉は 上宮に最も近い場所にある源泉であるため,ここが 諏訪の温泉の発祥の地とされている。
写真
碑文
名湯長寿の湯
神宮寺足湯
諏訪温泉の発祥地
諏訪と温泉のはじまり(湯玉伝説)
遠い昔,お
明神 さまのタケミフカタノミコト(諏訪市中洲神宮寺 諏訪大社上社祭神)と女神 のヤサカトメノミコト(下諏訪町諏訪大社下社祭神)のふたりの神さまは,仲良く,ここ上社に暮らしていましたが,ある時ちょっとのことで,大げんかをしてしまいました。
女神はおこって,いろいろ日常 使 う物と一緒に,お化粧 のお湯を綿にひたし湯玉 にして,御殿 をとびだしました。
そして,この神宮寺の岸から舟をこぎだし,諏訪湖の北 下諏訪に移り住みました。
ところが,女神はあわてたので,途中綿にしめしたお化粧のお湯のしずくを所どころぽたりぽたりと落してしまいました。
するとどうでしょうか。このしずくの落ちた土の中から、あっつい水「温泉」がふきだしたのです。
今ここ神宮寺から点々と一直線に,下諏訪まで温泉がわき出でいるのは,そういったわけだと言われています。