とうじそば 発祥の地

とうじそばはっしょうのち

 
調査:
2013年7月(写真提供 OLDMANさん)、
2013年7月(写真提供 A.A.さん)

JR中央本線の奈良井 薮原駅から北西に20km。長野県道26号と39号の分岐点近くの道路脇に「とうじそば発祥の地」と書かれた,真新しい駒札風の木碑(標識)が建っている。

松本市の奈川地区は,女工哀史の小説『あゝ野麦峠』で有名な,飛騨地方から野麦峠を越えて松本の城下町に至る“野麦街道”の谷合いに点在する集落。標高の高い山間地で平地が少ないため,稲作ができず そばや豆などを作り,昭和初期までは“そばがき”や“そば餅”が主食であった。その中で特に工夫されたのが,寒い時期にも鉄鍋で温めて食する「とうじそば」である。

「とうじそば」とは,竹で編んだ大きなスプーン状の“とうじ籠”にそばを入れ,山菜・きのこ・鶏肉などを入れた熱い鉄鍋に籠ごと浸して 温めて食べる“そばのしゃぶしゃぶ”のようなもので,奈川地区では古くから祝いの席で振舞われてきた。

ちなみに「とうじそば」という呼び名は,そばを汁につけることを「とうじる」と言うが、奈川では「そばを投じる」→「投汁」→「とうじ」となったのだという。本来は漢字で「投汁そば」の名称を使用したかったようだが,地元のそば店が先に商品登録をしていたために ひらがなになったとのうわさも。実際に、1993年(平成5年)に「投汁そば」は商標登録され更新継続され「『投汁そば』は登録商標だ」と謳って使用されれている。

なお,これと同じ形の発祥の地碑が,県道26号の北と南を含めて 奈川地区の入口に当たる3箇所ほど建てられており,「とうじそば」を地域の町おこしの材料にしようとする観光協会の熱意が感じられる。

当地はもとは奈川村だった地域で、2005年に松本市に編入された。

写真

  • とうじそば発祥の地
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碑文

とうじそば発祥の地

ながわ観光協会

地図

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松本市奈川 付近 [ストリートビュー]