旗山 (海軍発祥の地)

はたやま

地下鉄大江戸線 築地市場駅の東300m。築地市場の構内に“水神社”がある。神社に向かって左手前に自然石に「旗山」と刻まれた大きな石碑が建っている。

現在の築地市場一帯は、江戸時代に松平定信が老中退職後に隠棲した「浴恩園」と呼ばれた別邸があった場所。明治5年(1872) ここに海軍省が置かれ、浴恩園内の築山に海軍卿の旗が掲揚されたため旗山と呼ばれた。
旗山の碑は、昭和8年(1933) に築地市場が移転してきた時に元の位置から少し動かして現在の場所に移ったと言われる。

築地周辺には海軍大学校・海軍軍医学校・海軍造兵廠・海軍経理学校などの施設があり、海軍の町だった。今も海軍経理学校、海軍兵学寮跡海軍軍医学校跡、軍艦操練所跡などの碑が建っている。

神社の周囲は金網で厳重に囲われ、正面の鉄扉も通常は閉じられていて、碑を間近にみることができない。(毎月5の日には扉が開かれるとか。)

写真

  • 091水神社
  • 旗山
  • 水神社
  • 旗山
  • 旗山(2006)
  • 水神社(2006)
  • a42旗山(2006)
  • 旗山(2006)

碑文

旗山

此処ハ往昔徳川幕府ノ時松平定信ノ別業浴恩園内勝地タル賜山ノ一部ニ属ス明治二年海軍省衙ヲ此地ニ置ク五年本省設立後海軍卿旗ヲ此丘陵ニ樹ツ世人呼ンデ旗山ト称ス此地ヤ実ニ海軍経営ノ根基ヲ為セリ蓋シ其発祥ノ地ト謂ツベシ爾来春風秋雨幾星霜省庁移転シ僅ニ一二ノ御門ヲ留ムルノミ地形漸ク変リ旧時ノ状景亦尋ヌルニ由ナカラントス乃チ旗山ノ地点ヲ相シテ一碑ヲ建テ以テ記念ト為スト云爾。

  昭和十二年一月五日
海軍大臣 永野修身

地図

地図

中央区築地 付近 [ストリートビュー]