蛇も蚊も 発祥の地
じゃもかもはっしょうのち
京浜急行・生麦駅(KK31)の東600m。生麦小学校の東に「道念稲荷神社」があって、社殿の脇に写真に示す碑が建っている。また参道の入口脇には、横浜市が建てた無形民俗文化財の標識がある。
「蛇も蚊も」とは不思議な呼び名だが、これは横浜市鶴見区生麦で行われている民俗行事で、旧暦の5月に
横浜市指定無形民俗文化財
蛇 も蚊 も平成4年11月1日指定
行事の日 6月第1日曜日
保存団体 生麦蛇も蚊も保存会蛇も蚊もは、約300年前に悪疫が流行したとき、萱で作った蛇体に悪霊を封じ込めて海に流したことに始まると伝えられています。この行事は、端午の節句の行事とされ、明治の半ば頃から太陽暦の6月6日になり、近年は6月の第1日曜日に行われるようになっています。
萱で作った長大な蛇体を若者・子供がかついで「蛇も蚊も出たけ、
日和 の雨け、出たけ、出たけ」と大声に唱えながら町内をかついで回ります。もとは、原と本宮で一体づつ作り、原のものが雌蛇、本宮のものが雄蛇だといって、境界で絡み合いをさせた後、夕刻には海に流していましたが、現在は、両社別々の行事となっています。平成5年3月
横浜市教育委員会
道念稲荷神社の方にはこのような説明板はない。横浜市は両神社の行事を一体のものとして民俗文化財に指定しているためにこのようになっているものと想像されるが、道念稲荷神社の方には地元の人が建てた“発祥の地”碑が建てられた。
面白いのは「蛇も蚊も出たけ、日和も雨け、出たけ出たけ]という“囃子言葉”である。「出たけ」というのは「出て行け」という意味と言われるが、本当のところは地元の人にもよくわからないらしい。「蛇も蚊も」はこの囃子言葉から出ているのだが、どうして突然「蚊」が出てくるのか。不思議で大変興味ある風習である。
このような素朴な民俗行事が残っているのは珍しいが、ここ生麦地区は幕末に「生麦事件」の起きた場所で、当時は東海道沿いの小さな漁村だった。よく今まで保存されてきたと言うべきだろう。
【リンク】カナコロ
写真
碑文
道念稲荷神社
蛇も蚊も発祥の地
蛇も蚊も 出たけ
日よりの雨け昭和48年6月3日
東部本宮町
西部本宮町
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