寒の土用 丑の日 発祥の地
かんのどよううしのひはっしょうのち
中央本線 岡谷駅から東に700m。諏訪湖に面する“岡谷湖畔公園”の西端近く, 諏訪湖の水が天竜川として流れ出る“釜口水門”に 向かい合う位置に, 数本の石柱に囲まれるように「寒の土用 丑の日 発祥の地」と書かれた 背の高い石碑と その説明板が建っている。
周辺にはうなぎを出す飲食店が複数あり、お昼時に訪ねると蒲焼きの煙の香りによりその場にいるだけで空腹感を覚える。
土用丑の日にウナギを食べる習慣が広まったのは, 江戸時代に平賀源内が 『本日 土用丑の日, 鰻食うべし』というキャッチコピーを出してから, という説は有名である。しかし ウナギは平安時代以前から 夏やせ対策の滋養強壮の食べ物として珍重されていたようなので, 夏の土用丑の日に食べる素地は ずっと前からあったと思われる。
“土用丑”というのは 夏ばかりではない。土用は,
- 冬の土用 立春の前18日間
- 春の土用 立夏の前18日間
- 夏の土用 立秋の前18日間
- 秋の土用 立冬の前18日間
と 春夏秋冬 年に4回。18日間ずつなので、12日で一回りする干支を当てはめると、土用丑の日は それぞれ 1日~2日ある。
諏訪湖に面し 天竜川の源でもある岡谷市は, 以前 ウナギの漁獲量・消費量が多く, 岡谷独自のうなぎ料理の伝統が受け継がれている。10年ほど前から「うなぎのまち岡谷の会」が‘寒のうなぎ’こそ脂がのり 旨味が凝縮された旬だとして, 寒の(冬の)丑の日を「うなぎの日」と決めてPRに努めている。
現在は 岡谷でのウナギの漁獲量はあまり多くないようで, 少なくとも 大規模な養鰻場があるという話は聞かない。
ちなみに 国内のウナギの生産量は,
- 鹿児島 35.6%
- 愛知 30.7%
- 宮崎 14.8%
- 静岡 8.6%
- その他 10.4%
だそうだ(2004)。
うなぎは 蒲焼にして食べることが多いが, これは 江戸時代中期以降の習慣だそうである。
よく知られていることだが, 関西では腹開きで 白焼きにした後に タレをつけて本焼きするが, 関東では 背開きで 一度蒸した後でタレを付けて本焼きする。この諏訪湖周辺では, 西側の岡谷・下諏訪あたりは 関西風, 東寄りの諏訪市は 関東風に料理する ということで, 大変興味深い。
いつの間にか鰻供養塔が追加されていた。
写真
碑文
寒の土用 丑の日 発祥の地
平成十六年一月吉日建之
正面
岡谷市長 林 新一郎書㈱小松屋川魚店
㈲観光荘
㈲丸中清水屋
㈲濱丑川魚店
㈲丸共清水屋川魚店
あら川
塚原川魚店
うなぎの館天龍
㈲ララオカヤ丸共清水屋
㈲うなぎ水門
岡谷商工会議所
㈲田舎家
㈲大七高林養魚場
岡谷料食睦会
㈱信濃屋
うなぎ源平
双葉屋川魚店
宝真亭
「寒の土用 丑の日 発祥の地」記念碑
諏訪湖に面し天竜川の源に位置する岡谷市は, 古くよりうなぎの漁獲高・ 消費量が多く, 現在も市内のうなぎ取扱い店では, こだわりのある岡谷 独自の味と料理を創り出していることから「うなぎのまち岡谷」を標榜し 食文化の向上とまちの活性化に取り組んでいます。
その一環として, うなぎが本当においしい『寒うなぎ』を全国に広め るため, 立春前にあたり一月最終の丑の日を「寒の土用丑の日」と定め ました。
「寒の土用丑の日」は, 日本記念日協会へ登録するとともに商標登録も 行い, 発祥の地として記念碑を建立しました。岡谷市・うなぎのまち岡谷の会
うなぎのまち岡谷の会事務局
〒394-8510 長野県岡谷市幸町8-1
http://www.kanko-okaya.jp/
http://www.okayacci.or.jp/unagi/
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