「からたちの花」発祥の地
からたちのはなはっしょうのち
山手線 大塚駅から南東に600m。巣鴨小学校の近くに「日本キリスト教団 巣鴨教会」がある。教会の敷地内北東隅に茶色の石碑が建っており, 山田耕筰が自伝『若き日の狂詩曲』に書いた文章の一節と, 童謡「からたちの花」の歌の楽譜が刻まれている。
巣鴨教会は牧師・田村直臣が明治27年(1894) に数寄屋橋より移転したキリスト教会で, 苦学生の救援組織「自営館」(仕事を与え自活しながら勉強をさせた寄宿舎)や「大正幼稚園」が併設された。田村は後に東京YMCAの発起人となっている。
山田耕筰は10歳で父を亡くしこの自営館に預けられた。「からたちの花」は, 山田耕筰が少年時代を過ごした「自営館」での淋しい想い出を白秋に話し, これに共感した北原白秋が作ったとされる。大正14年(1925) に発表した詩に山田耕筰が曲をつけた。
写真
碑文
山田耕筰歌曲「からたちの花」発祥の地
枳殼の, 白い花, 青い棘, そしてあのまろい金の実, それは自営館生活に於ける私のノスタルヂアだ。そのノスタルヂアが白秋によって詩化され, あの歌となったのだ。
山田耕筰
枳殼=からたち
田村直臣の自営館ここに建つ
神と人とに仕えし多くの頴も巣立てり
(AD 1888-1919)麻布大学学長 中村経紀書
1992年11月建立
東京都豊島区
日本基督教巣鴨教会
大正幼稚園卒園生
巣鴨幼稚園父母の会
住友銀行大塚駅前支店
金子義男
浅羽久美子
田辺仲次
有志一同記念碑実行委員会