きりたんぽ 発祥の地かづの

きりたんぽはっしょうのち

花輪線 鹿角花輪かづのはなわ駅から150mほど南に,“道の駅かづの”がある。ここから約2km南、東北自動車道鹿角八幡平かづのはちまんたい入口交差点附近に大きな看板が出ている。また,“道の駅かづの”の中に食堂や民芸品の展示・販売場があって,その建屋には あちこちに「発祥の地・きりたんぽ」とか「きりたんぽ発祥の味」などの看板がかかっていて,いかにもこの地が「きりたんぽ」の発祥の地であることを示している。

切蒲英きりたんぽ」は いうまでもなく,秋田県の有名な郷土料理のひとつである。木の棒につぶした米(うるち米)のご飯を竹輪のように巻き付けて焼き,棒から外して食べやすく切って食する。鶏がらのだし汁に入れて煮込んだり,味噌を付けて焼いて食べたりもする。木の棒に巻き付けた状態では「たんぽ」といい,棒を外して短く切ったものが「きりたんぽ」なのだという。

「たんぽ」というのは,本来 稽古用の槍につける綿を丸めて布で包んだもの=短穂 を指し,きりたんぽの形が槍の短穂たんぽと似ているため,この名がついたと言われる。

「きりたんぽ」という言葉の由来には 次のような逸話が残されている。

ある時,花輪(現 鹿角市)に南部藩の殿様が直々に巡視にやってきた。その時に藩主に出された料理が,山に住む木こりやマタギたちの料理。木こり達は ご飯が腐りやすいため、木の棒にご飯をつぶしてつけて焼き,これを山でキジや野菜を煮詰めた鍋に入れて食べていた。これを藩主に差し上げたところ,藩主は大変お喜びになり,「これはなんと言う料理か」と聞いたが,正式な名前などない料理のことゆえ,とっさに思いついたのが 槍の稽古に使う短穂槍の形に似ているので,「これは“たんぽ”です」と答えたという。これがきっかけできりたんぽと言われるようになったといわれる。

余談だが,有名な「秋田音頭」は

秋田名物ハチモリハタハタ,男鹿で男鹿ブリコ(アーソレソレ)
能代春慶,桧山納豆,大館曲げわっぱ……

と続くが,きりたんぽについては「き」の一文字すら出てこない。これはどうしたことだろうか?

写真

  • きりたんぽ発祥の地かづの
  • 発祥の地きりたんぽ
  • きりたんぽ発祥の味

碑文

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きりたんぽ 発祥の地
かづの

鹿角市商工観光課

イメージキャラクター「たんぽ小町ちゃん」も描かれている

地図

地図

鹿角市八幡平赤渕 付近 [ストリートビュー]