東浪見甚句 発祥之地
とらみじんくはっしょうのち
地引網による鰯漁が盛んだった九十九里において、大漁祝いや豊漁祈願等に詠われた
国道128号線沿いにあるリゾートホテル グランドヴィュー一宮(長生郡一宮町東浪見60-1)の隣にある草むらの中に、石版が建つ。保存会によって昭和45年(1970) に建碑された。
東浪見甚句は、九十九里浜南端の東浪見地域で江戸時代から伝承されてきた民謡で、かつて盛んであった地曳網によるイワシ漁と深く結び付いている。豊漁を祝う席などで歌われ、海の安全と次の大漁を願う歌として人々に親しまれてきた。歌詞の構成は七・七・七・五の近世歌謡の標準的な形式を踏襲している。
千葉県教育委員会によれば、東浪見甚句の起源は、漁民が集まる中で歌い継がれた「二上り甚句」という唄にあるとされる。東浪見では江戸時代初期から地曳網漁が盛んになり、豊漁の喜びや不漁の嘆き、神参りや祈願など、人々が集う機会に歌が受け継がれた。やがて大漁祝いの酒席などで披露される民謡として定着した。歌に合わせた踊りは、漁の動きを思わせる力強さと、甚句特有の軽快さを備えている。
昭和39(1964) 年4月28日、東浪見甚句は一宮町の無形民俗文化財に指定された。
地元の「東浪見甚句保存会」により保存・伝承活動が行われており、毎年8月に開催される「一宮町納涼花火大会」や地元の祭り・民俗行事において披露されている。
写真
碑文
千葉県指定無形文化財
東浪見甚句発祥之地
太東岬で
いりくま
見れば
明日も
大漁か
鳥の群日本詩人連盟会長
白鳥省吾書
碑記
東浪見甚句は吾が九十九里の南端太東岬に隣る東浪見地方を中心として江戸時代初期より漁業の繁栄と共に創生せる民俗娯楽の代表的の一つとして其の和楽の妙趣溢れ貴重なる文献と称すべきものであるが昭和期に至って漁業の不振と共に埋没の傾向にあるので郷土の有志その煙滅を惜み率先してその保存と普及に尽力した 加うるに千葉県文化財専門委員文学博士今井福治郎先生の認むるところとなり千葉県指定無形文化財となった尚甚句の中の「いりくま」の語は太東岬の有名漁巣として漁民の生活に最も親しまれている所である
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