酪農 発祥の地
らくのうはっしょうのち
北陸新幹線・しなの鉄道 軽井沢駅の南8km。上信越自動車道の下仁田I.C.から国道254経由で約40分という山の中の神津牧場にある“神津牧場記念館”の前に発祥地記念碑が建っている。
神津牧場は明治20年(1887)、新しい酪農への理想を求めた神津邦太郎がこの地に官有地272.2haを借地し牧場を開いた。ジャージー種を中心とする乳牛を輸入し、本格的な洋式牧場をめざしたのが神津牧場のはじまりである。
明治末期には500haもの大規模な牧場となったが、理想に走りすぎて経営困難となり、昭和10年(1934)に明治製菓(現在の明治)の経営となった。
戦後「財団法人神津牧場」が設立され、牧場の所有権を獲得し、現在もおよそ387haにジャージー牛約200頭を飼養・育成し、搾乳牛も冬期を除いて昼夜放牧を行うなど、土地や気候の条件に適応した山地酪農を実施している。ジャージー牛の繁殖、搾乳、牛乳・乳製品の製造から販売までの一貫経営を行うなど、創業の理想は今も生きている。
写真
碑文
明治二十年創立
我国酪農発祥の地
神津牧場
石井芳之君は明治大正昭和と牧場の歩みと共に石井家三代にわたり牧場の発展に寄与しこの度牧場を去るに当りこの記念碑を寄贈されたものです
昭和五十七年五月
財団法人神津牧場長中村直文書