瓦斯事業 発祥
がすじぎょうはっしょう
岡谷駅の東約700m、諏訪湖西岸の近くに諏訪ガス岡谷下諏訪営業所の建物左側に、大きな天然石の石碑が立つ。
この地は前身の諏訪天然瓦斯社が置かれた場所で、諏訪瓦斯と名称が変わってもしばらく当地を本拠地とした。昭和35年(1960) に諏訪市に移転した後も、現在は岡谷下諏訪営業所として営業している。
なお、当初は諏訪湖から採れるガスを販売していたが、現在は使われていない。
参考:諏訪瓦斯㈱
写真
碑文
諏訪湖古来天然に瓦斯を生ずと雖も空しく放散して是れか利用の道を知らさりき 爰に諏訪街和泉町に杢太郎小口氏あり資性剛直にして常に進取の意氣に富み事に當り貫ひて猶止まさるの概あり 明治三十三年兄弟戮力して湖中の瓦斯を採集し名勝衣ヶ崎に發動機を据え精米の業を興し更に岡谷に誘導して瓦斯の効用倍々多きさ加ふるや即ち東南の湖畔を相し井を掘鑿して湧出の瓦斯を得るに成功し直ちに諏訪天然瓦斯株式會社を設立し湖周一般の家庭に供給し其乃利便益々大なるに及ひたり 蓋し地下資源を開発して天與の恩惠を廣く頒つの志と謂ふへきなり
大正十五年社名を諏訪瓦斯株式會社と改め西岸下濱に石炭瓦斯發生爐数基を築造し天然瓦斯を併用して社運隆々供給事業の基礎茲に堅固なるも乃あり社齢實に三十有二 本資を増し設備を整へ今や二市一町三ヶ村に亘り需要家五千を算へ公益の使命其乃一端を擔ひ得て欣ひに堪へさるなり
八峰峨々として雲を帯ひ鵞湖淼々として青波寄する■社内胥謀り一碑を建て瓦斯事業発祥の記念とす昭和二十九年仲秋
諏訪瓦斯株式會社役職員一同建之後進・太田浪舟撰
下諏訪町
石匠 湯澤時次
※ 変体仮名と異体字はなるべく原文のまま使用したいところだが、書体に表現できない文字は改めた