波部黒大豆 発祥の地

はべぐろだいずはっしょうのち

福知山線 篠山口駅から東に約10km。丹波篠山市役所の城東支所(丹波篠山市日置385-1)より300mほど東に,国道372号に面して「波部黒大豆発祥の地」と書かれた大きな看板が建っている。

おせち料理に欠かせない“黒豆”。“黒く日焼けするほどマメ(達者)で働けるように”と、長寿と健康を願って正月に食べられるようになったと言われる。

黒い大豆は産地によっていろいろな種類,たとえば信州黒(長野県),中生光黒(北海道),和知黒(京都府)などがあり,特に兵庫県丹波地方の“丹波黒”は豆が大きいことで有名である。

丹波黒大豆は 篠山市西部の川北地区に栽培されていた在来品種“川北黒”と,篠山市東部の日置地区で栽培されてきた“波部黒(はべぐろ)”という2つの品種を統合,系統選抜を繰り返して育成された大粒の品種。そのルーツの一つである波部黒大豆は,江戸時代後期に日置地区の大庄屋・波部六兵衛が,優良な黒大豆を選抜・育成した品種と伝えられる。

この「発祥の地」と書かれた看板は,かつて波部家があった場所であろうか というわけではなく、日置地区の設置可能な目立つ場所に建てたということだろう。

余談だが,看板に書かれた“アルギット栽培”というのは,ノルウェー近海で採れる海草、アルギットを採り入れた農法。豊富なミネラルやビタミン類などの成分を含み,これを肥料として使用すると,土壌微生物が増殖し,化学肥料の多用や連作で疲弊した土をよみがえらせ,農作物の味や香りをよくし,収穫量の増加も期待できるという。

アルギット農法を取り入れた作物の例としては,アルギット米・アルギットみかん・アルギットいちご・アルギットニラなど数多くの実績があり,ニワトリの餌にアルギットを混ぜて アルギット卵 を生産している例もある。波部黒大豆の栽培にも このアルギット肥料が取り入れているのだろう。


丹波篠山市は、令和元年(2019)5月に篠山市から名称が変更された。これは平成16年(2004)に旧国名を一地域に用いた丹波市が誕生し、混同されたり丹波市の一部の扱いをうけたりしたためだった。

写真

  • 波部黒大豆発祥の地

碑文

特許 4541923号
味一番 アルギット栽培

波部黒大豆
発祥の地

波部黒保存会

地図

地図

丹波篠山市日置 付近 [ストリートビュー]