丹波 黒大豆 発祥の地

たんばくろだいずはっしょうのち

福知山線 篠山口駅から東北東に5km。JA丹波ささやまの直営特産館ささやま(丹波篠山市黒岡70-1)の駐車場に,四角柱の上に黒豆をかたどった黒い石の球を乗せたユニークな記念碑がある。

丹波黒大豆は,兵庫県丹波地方で栽培される黒色の大豆で,粒が丸くて大粒であることが特徴。煮豆にすると,モッチリとした口当たりのよい食感で美味。

丹波篠山地方には,古くから黒豆の栽培が行われており,多紀地方(現在の篠山市西紀町川北)の“川北黒大豆”,日置(ひおき)村(現在の篠山市日置)の“波部黒(はべぐろ)大豆”の2系統があった。川北黒大豆は江戸幕府に献納され,また波部黒大豆は 明治時代に宮内省御用達品となって名を知られるようになった。

名声が高まると“川北黒大豆”“波部黒大豆”という名称に分かれていることが支障になったため,これらを統合して“丹波黒大豆”の名称で出荷されるようになった。その後昭和16年(1941)に,兵庫県農事試験場が正式に「丹波黒」と命名し奨励品種とした。

元来 丹波黒は早生から晩生まで各種の系統があったが,それらを長期にわたって系統選抜を繰り返すことで大粒化し,商品価値を高めた。成熟時期はより晩生化し,開花から成熟するまでの日数は小粒種黒大豆が70日程度であるのに対して,丹波黒は 100日にも及び,養分を蓄積しながら成熟するために大粒化すると考えられている。


丹波篠山市は、令和元年(2019)5月に篠山市から名称が変更された。これは平成16年(2004)に旧国名を一地域に用いた丹波市が誕生し、混同されたり丹波市の一部の扱いをうけたりしたためだった。

写真

  • 丹波黒大豆発祥の地
  • 丹波黒大豆発祥の地 碑文

碑文

第36回朝日農業賞授賞記念碑

丹波黒大豆発祥の地

建立にあたって

 丹波黒大豆は,古来より波部黒大豆と川北黒大豆の2系統があり,総括して丹波黒大豆と呼ばれていた。丹波盆地特有の昼夜の温度差が大きいこと,肥沃な土壌,清らかな水など優れた気候風土に恵まれ,お正月のおせち料理などに欠かせない食材として,古くから禁裏,将軍家等へ献上されて来ました。
 1970年代より米の生産調整が始まり,丹波黒大豆の栽培が多くなり,篠山町農協は組合員の有利販売への強い要望から全国に向けた産直販売をはじめ,加工販売につとめて来ました。
 1998年,こうした生産,販売の努力が認められ,第36回朝日農業賞受賞の栄に浴することができました。今回,この受賞記念として丹波黒大豆発祥の地に記念碑を建立いたしました。

2002年3月吉日
建立者 篠山町農業協同組合

地図

地図

丹波篠山市黒岡 付近 [ストリートビュー]