遥かな友に 誕生の地

はるかなともにたんじょうのち

中央本線 藤野駅から南に8km。国道413号線 道志道の“夫婦園”バス停から相模川に向かって細い私道を800m程下ると,夫婦園キャンプ場(相模原市緑区青根98)の事務所がある。事務所前の小さな池の畔に「遥かな友に 誕生の地」という平板状の石碑が,また 事務所の入口上に「“遥かな友に”発祥の地」と書かれた看板がある。さらに,キャンプ場に入って少し上流の“緑の休暇村”に 「遥かな友に」と書かれた立派な歌碑が建っている。

「遥かな友に」は,磯部いそべとしが昭和26年(1951) に作詩作曲した合唱曲。磯部は 早稲田大学グリークラブの合唱指導をしており,クラブのOBでもあった。

「遥かな友に」の誕生には次のようなエピソードが残されている。

グリークラブは 昭和24年(1949)~26年(1951) の3年間,神奈川県津久井渓谷の夫婦園に一軒家を借りて,夏と秋に合宿をしていた。昭和26年(1951) 夏の合宿の時,新入部員が枕投げをするなどあまりにもはしゃいでなかなか寝ないのに上級生が頭を痛め,「明日の練習に差し支えるので何とか早く寝かせたい」と磯部氏に相談したところ,磯部氏は腹ばいになりながら五線紙もない中で即興的に作曲したのが この「遥かな友に」だった。

この歌は最初グリークラブのパートリーダー達4名が無伴奏で歌っていたが,その後ボーカルグループ・ボニ―ジャックスがレコード化し,NHKの“みんなのうた”に取り上げられたため広く全国に広がり,男性合唱,女声合唱などに編曲され,今日も親しまれている。

「遥かな友に」の歌碑は昭和61年(1986) に,また誕生の地碑は平成13年(2001) に建立された。

写真

  • 遥かな友に誕生の地
  • 遥かな友に発祥の地
  • 遥かな友に 歌碑

碑文

磯部俶作詞作曲五十年記念

合唱曲 遥かな友に 誕生の地

昭和二十六年七月二日誕生
題字 磯部 俶

“遥かな友に”発祥の地

合唱曲の名作“遥かな友に”は 当キャンプ場で 磯部俶先生 により作曲されました
男性合唱の名門 早稲田大学グリークラブ は昭和24・25・26年の3年間(夏10日間・秋5日間)当キャンプ場で合宿しました
昭和26年夏 グリークラブのOBであり また当時の指揮者でもあった 磯部俶先生 が 学生たちのために作曲・作詩したのがこの“遥かな友に”です その後この曲はグリークラブの愛唱歌としてだけでなく 他の合唱団にも愛唱され 全国に拡がりました
今では日本の代表的合唱曲として 広く世界で歌われています。

地図

地図

模原市緑区青根 付近