ホップ 栽培 発祥の地
ほっぷさいばいはっしょうのち
中央本線 長坂駅の北約1km。本源寺から200mほどの所だが, 近くに目標物がなく探すのが大変困難であったが, 探しまわってようやく畑の中に黒御影石のやや大型の石碑を発見した。
ビールは「麦芽・ホップ 及び水を原料として発酵させたもの」と定義されている通り, ビール醸造に不可欠のもので, 爽快な苦味と独特な香りを与え, ビールの醸造課程において 雑菌を抑えてビールの腐敗を防いだりビールの濁りを少なくし, 更にビールの泡立ちを良くする働きを持っている。
戦後は 東北各県での契約栽培がはじまり,単位面積当たり収量が高くない山梨・長野などは急減して, 現在では山形・岩手・秋田及び北海道などにおいて栽培が続けられている。
ホップ栽培の特徴はほぼ全量がビールメーカーとの契約栽培であることである。2005年の県別生産量は, 岩手県(40%) 秋田県(29%) 山形県(22%) 青森県(6%) 北海道(2%) の5道県で生産量の100%近くを占めている。しかし 安価な輸入品に押されてホップ栽培は徐々に減反が進められており, 1980(昭和55)年代に生産量のピークを記録した後は暫減傾向になっている。
写真
碑文
ホップ栽培発祥の地
山梨県ホップ産業協同組合
キリンビール株式会社ホップは従来, 其の大部分を国外よりの輸入に頼りつゝあったが、昭和十四年(1939)当時内外の状勢は緊迫の度を加え, これが需給の悪化が予想されたため, 国内における生産の確保と本県農業資源の開発および当地方の特産作物として, これを導入することは誠に時宜を得た事業であることを認め, 時の郡農会長, 後の初代ホップ組合長井出和重氏は, キリンビール株式会社との契約栽培により, ホップの生産企図推進した。以後急速に増殖が進み広く県下にわたり栽培されるに至った。 栽培開始以来五十五年目を迎えるに当り, 其の発祥地として碑に刻み此の地に建立し, 以って後世に伝えんとするものである。
平成六年九月吉日