INS 発祥の地
あいえぬえすはっしょうのち
大阪地下鉄 御堂筋線・中央線 本町駅から北東に500m。御堂筋の淡路町3丁目交差点から東に400mほど入った所にアーバンエース北浜アネックス(大阪市中央区淡路町2丁目4-16)がある。敷地南西隅の植込みに隠れるように「明日への通信」という黒い石碑が建っている。碑は周囲の植物の枝に隠されて碑文がほとんど読み取れないような状態になっている。
「INS」とは Information Network System の略で,ISDN(ディジタル公衆交換電話網)のNTTの商品名。ISDNの技術は1970年代から NTTが民営化される前の 日本電信電話公社によって研究が行われ,昭和59年(1984) に東京の三鷹・武蔵野地区で実用化試験が行われた。昭和63年(1988) に“INSネット64”“INSネット1500”の名称で商用サービスが開始された。この時 最も早くISDN交換機が設置されたのが ここ北浜の電話局であったのだろうと推定されるが,詳しい事情は不明。
深夜時間帯に特定番号への通話が定額となる“テレホーダイ”サービスを提供したため,インターネットへのダイヤルアップ接続用途で一気に普及し,さらに2000年以降は“フレッツISDN”となって時間帯によらず常時接続が可能になった。その後IP(Internet protocol)通信によるADSLのような高速・定額のインターネット接続手段が普及したため,ISDN加入者は大幅に減少しているが、遅延と通信ロストが少なく電話回線を使うので比較的安価であるため、POSシステムや銀行の振り込みなどにまだまだ多くの回線が使われている。
写真
碑文
明日への通信
INS発祥の地
昭和63年4月