「怪傑黒頭巾」誕生の地

かいけつくろずきんたんじょうのち

 
撮影:
2006年10月(写真 T.K.さん)
2019年12月

青梅線 青梅駅の南東。旧青梅街道に沿って続く 住江町商店街の一角、昭和レトロ博物館(青梅市住江町65)斜向かいの駐車場入口にある植木枡に、木標が建っている。

高垣(たかがき)(ひとみ)は, 青梅の高等女学校で教鞭と取る傍ら少年向けの冒険小説を書き, 『龍神丸』『豹の眼』『荒海の虹』等の作品を発表。昭和10年(1935)に発表した『怪傑黒頭巾』は大評判となった。彼の作品は数多く映画化され、テレビドラマにもなった。

青梅は 西多摩地区最大の繁華街だったが、昭和30~40年代をピークに、その後 商店街の空洞化傾向が起こり, その振興策として 大正・昭和のレトロな風景を活かし, 景観を重視した街づくりが行われた。

平成3年(1991)から「青梅宿アートフェスティバル」を開催し, 映画看板を掲示したことをきっかけに「映画看板のある街」として全国に知られるようになった。平成11年(1999)に「昭和レトロ商品博物館」を開設したのにはじまり, 「青梅赤塚不二夫会館」 「町屋まるごと博物館」「昭和まるごと博物館」「匠まるごと博物館」などが設けられ, “青梅のまち全体が博物館”という概念で活性化している。

青梅駅も「レトロステーション」と称して, 駅構内の連絡道には昔ながらの映画看板がセットされ, ここには「怪傑黒頭巾」の看板も並んでいる。町中にもいたるところに手描きの映画看板が掲げられていて, 不思議な魅力のある雰囲気の町になっている。


令和元年(2019)に訪問してみると、背景にあった赤いマリリンの看板は無く、看板は掛け替えたり、風化したり、撤去したり、追加したりしているようだ。

また、肝心な怪傑黒頭巾の木標は植木枡の中で移設されているようではあるが、コニファーにすっかり隠れ、枝葉をかき分けなければ気づかない。さらに傷みもそのままに、背面に何かが記されていたようだが読み取れなくなっている。

写真

  • 怪傑黒頭巾誕生の地
  • 怪傑黒頭巾誕生の地
  • 怪傑黒頭巾誕生の地
  • 青梅駅
  • 怪傑黒頭巾誕生の地 背面(2019)
  • 怪傑黒頭巾誕生の地 (2019)
  • 怪傑黒頭巾誕生の地 (2019)
  • 怪傑黒頭巾誕生の地 (2019)

碑文

高垣眸(昭和十年)「怪傑黒頭巾」誕生の地

高垣眸はこの地に住み数々の名作を生んだ

地図

地図

青梅市住江町 付近 [ストリートビュー]