九州 鉄道 発祥の地

きゅうしゅうてつどうはっしょうのち

博多駅の北西500m。出来町公園の西端に, 機関車の動輪に挟まれた形の黒い石碑が建つ。昭和54年(1979) に当時の国鉄九州総局が, 九州の鉄道関業90周年を記念して建てた。

明治22年(1889) 12月, ここ出来町公園から博多区役所付近にかけて初代の博多駅が開業し, 現在の鹿児島本線の一部に当たる久留米までの鉄道の営業運転を開始した。所要時間1時間半だった。現在は 特急で30分程度である。平成23年(2011) に開業した新幹線では約20分。


訪問時は公園南西側にあったが、公園が再整備された平成31年(2019) に観光バス乗降所設置場所に重なるため、南東側隅に移設された。

写真

  • 出来町公園
  • 九州鉄道発祥の地
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  • 九州鉄道発祥の地 碑陰(道路側)

碑文

九州鉄道発祥の地

 福岡県をはじめ佐賀 長崎 熊本県民有志のあいだに鉄道建設への機運が盛りあがり 明治二十一年六月 九州鉄道株式会社が創立されました 初代社長高橋新吉は ドイツ人技師ヘルマン ルムシュッテルを技術顧問として招へいし 彼の指導によりまず博多・久留米間の工事を進めました 本州の鉄道がイギリス人 北海道がアメリカ人の技術指導によったのに対し九州の鉄道はドイツ式を採用することになりました この公園の一角に設けられた博多駅から 久留米の対岸 千歳川仮停車場に向けて九州最初の鉄道が敷設され 明治二十二年十二月十一日 陸蒸気は多くの人びとの喜びと期待を乗せて走り始め 筑紫路に鉄輪のひびきがこだましました いらい九州鉄道は 自らその路線を伸ばすとともに すでに開業していた筑豊鉄道  豊州鉄道 唐津興業鉄道 伊万里鉄道とつぎつぎに吸収 北部九州の交通網をほとんど手中に収め 民営鉄道のなかでは全国第二位の地位を占めるまでに発展しました その後 明治四十年七月 鉄道国有法によって国に買収される ことになり 国有鉄道として九州の産業 文化の発展に貢献してまいりました 博多駅もまた この鉄道の発展につれて二代 三代と所を変えて成長 今日では九州最大の駅としてその偉容を誇っております このたび 九州の鉄道関業九十周年を迎えるにあたり ここに先人の偉業を偲び 合わせて鉄道発祥の地を永久に保存するため この地に碑を建立しました

昭和五十四年十二月十一日

日本国有鉄道九州総局

地図

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博多区博多駅前1丁目 付近 [ストリートビュー]