街づくり発祥の地

まちづくりはっしょうのち

成田線・京成線成田駅から北に500m、新勝寺表参道商店街にある下田康生堂ぱん茶屋（成田市上町551）の敷地隅に石標がある。成田山の参道には鰻屋が多いのだが、当店ももとはうなぎ屋だった。世代交代で、鰻屋がパン屋になるのもよいだろうと転換したらしい。

肝心の「街づくり発祥」の宣言は、狭い参道を広くしたことによる。狭い参道を広げるためにみんなで後退して道を広げようという話になった時、それが実現するのかわからなかった。鰻屋をやっていた先代が、自ら率先して店を後退させたところ、隣近所の同級生たちも賛同して後退し、地域全域が少しずつ後退した。

あとから追いついてきた行政の街づくり事業によると、花崎町・上町地区の参道は従来よりも2mずつセットバックして車道と歩道が分離され、歩行者が商店街に滞留しやすくなったのだという。その他にも、インターロッキングブロックの舗装にしたり店舗のファサードに和瓦を用いるなどして雰囲気向上させ、景観を整えて観光者を楽しませている。

以前の狭さはすでによくわからないが、花崎町・上町を過ぎると道が急に狭くなり「ああ、こんな道幅だったんだな」と思い知らされる。