牧場の朝 発祥の地
まきばのあさはっしょうのち
東北本線 鏡石駅から東に2Km。鏡石町と須賀川市にまたがって“岩瀬牧場”がある。南側(須加川市側)の牧場内に「牧場の朝発祥の地」の石碑が建っている。
「牧場の朝」昭和8年(1933) には文部省唱歌に採り入れられた歌。福島県の“岩瀬牧場”がモデルとなったといわれる。作曲者は文部省教科書編集委員であった船橋栄吉。作詞者は長い間不詳とされていたが、昭和48年(1973) に「牧場の暁」と題する新聞記者であった杉村楚人冠の紀行文が発見され、これを契機に杉村が作詞者であると考えられるようになり、現在はこれが定説となっている。
岩瀬牧場の近くの“鳥見山公園”には、「牧場の朝」の歌碑があり、次のような「歌碑の由来」が書かれている。
文部省唱歌
牧場の朝の歌碑ただ一面に立ちこめた
牧場の朝の霧の海
ポプラ並木のうっすりと
黒い底から勇ましく
鐘がなるなる
かんかんと
歌碑の由来
小学唱歌「牧場の朝」は昭和七年に文部省唱歌に制定されて以来多くの児童生徒に愛唱されて今日に及んでいる
しかるに肝心の作詞者が不明であったが多年にわたる医師最上寛氏及び作曲家平井康三郎氏並びに関係者の追跡研究の結果明治の文筆家である杉村楚人冠(本名廣太郎)の作と断定するにいたった
町はこれを記念し「牧場の朝」発祥の地である当公園の一角に作曲者故船橋栄吉氏の息女である船橋豊子氏の協賛を得てこの歌碑を建立した碑前面の楽譜は船橋豊子氏を煩わし歌詞は詩と音楽の会会長でありこの道の権威である作曲家平井康三郎氏の揮毫によった
町の自然と風土がうたいこまれた珠玉の作品が永く後世にうたいつがれることを祈念してやまない
昭和五十八年十一月二十七日
鏡石町長 永田守央
写真
碑文
牧場の朝
発祥の地「牧場の朝」は、昭和7年船橋栄吉の作曲、杉村楚人冠(本名廣太郎)の作詩である。文部省唱歌となって70年。鳥見山公園に歌碑が建立されて20年。これを記念して感謝の集いを催すに当たりここ歌の発祥地の岩瀬牧場に建立した。