日赤スキーパトロール
にっせきすきーぱとろーる
小樽市の市街地から約20分ほどの朝里川温泉にある朝里川温泉スキー場のスタートハウス前に、スキー板をモチーフとした緑色の鉄製のモニュメントが建つ。上部に赤十字マークが設置され、安全の鐘が吊されている。時折、子どもやスキーヤーが近寄ってきてカンカンと鐘の音を鳴らしてゆく。
碑文によれば、ここ朝里川温泉で日本赤十字社(日赤)による講習が行われ、スキーパトロール資格者が誕生した、とある。現在、スキーパトロールは日赤が行う雪上安全法の救助員と、全日本スキー連盟(SAJ)が行う公認パトロール検定が行われているが、日赤によれば、その両方の発端になったのが碑文にある1961年の講習会だとのことだ。「人道」が旗印の赤十字精神に基づき、スキー場における事故防止と負傷者の救護をボランティアで行うことを目的としたのが、日赤のスキーパトロールだ。同年には、群馬県の万座温泉スキー場でSAJによる公認スキーパトロール講習検定会も初めて行われている。
日赤とSAJは合同でスキーパトロール研修を行っていた時期もあるが、スキー場での怪我人を救助するボランティアパトロールを主に養成する日赤の研修と、救助だけでなくスキー場の従業員向けのスキー場管理についての講習も行うSAJの研修が分離し、現在に至っている。
その後、日赤の研修は「雪上安全法」と名を変えて講習内容が整備され、室内での7時間以上の受講と検定で取得できる救助員Ⅰと、Ⅰを取得後雪上で12時間の受講と検定で取得できる救助員Ⅱの講習が行われている。
かつては発祥の地、北海道をはじめ、全国各地のスキー場でボランティアのパトロールが活躍していた日赤のパトロールだが、スキー人口の減少とともに、実働人員が減り続け、現在は雪上での講習が毎年定期的に行われているのは北海道だけだ。
ここ朝里川温泉スキー場では、土日を中心にボランティアの日赤スキーパトロールがスキーヤーの安全を見守っている。
写真
碑文
日赤スキーパトロール誕生50周年記念
Skiers' Safety Bell
安全祈願の鐘ここ小樽市朝里川温泉において昭和36年(1961年)1月に第1回日本赤十字社スキーパトロールコース救急法講習会で日本で初めて70名の資格者が誕生した。
以来多くのパトローラーが誕生、赤十字精神の「人道と博愛」のもと活躍し、平成23年(2011年)に誕生50周年を迎えた。
また同時に発足した現組織の前身「北海道赤十字スキーパトロール奉仕団」も創立50周年になることから、先人の功績を讃え、これからもスキーヤーの安全を願い「スキーヤー安全祈願の鐘」とともに、ここ発祥の地に記念碑を建立した。2011年11月
北海道赤十字スキーパトロール協議会